今日の米CPI指数発表に市場は注目 投稿者: kaigaifx-trade2023年1月12日2023年1月12日市場ニュース 米CPI指標次第でFRB利上げ姿勢変化か 昨日の米ドルは他の主要通貨に対して、まちまちで取引されて今日も同様の状況です。今日の米CPI指数の発表を控えて、市場は重いポジショニングを避けているように見受けられます。CPI指数は総合とコアともに減速と予測されており、FRBの金利政策反転への期待が高まっていると言えるでしょう。最終金利が5%以上に据え置くとの姿勢を変えないFRBに対し、市場は6月に4.95%でピークに到達すると予測しており、今年末の約0.5%の利下げが今もなお、織り込まれている状況です。それゆえ、米ドルは引き続いて下降トレンドに留まる可能性がありますが、米ドルの動向は、米CPI発表時に実際の数値が予測に反して、どのように比較されるかが焦点となるでしょう。CPI指数が予想通り、もしくは予想以下で減速したなら、「買い」相場になるでしょう。しかしながら、これは短期的な新たなドル売りの調整との認識が強まるとも言えます。逆にCPI指数が予想を大幅に下回ったとしたら、米ドルの即時「売り」に結びつく可能性も十分にあります。 ユーロと円は続伸見込み ここのところ数か月の間、米ドルは他の主要通貨に対して下落の傾向にあります。その一方、ユーロ圏のインフレ率加速が理由でECBの利上げ継続が予測されたことで、ユーロは上昇傾向にあります。欧州経済へのリセッション緩和の拡大も、ユーロに有利に働いています。ユーロは米ドルに対して、重要なハードルである1.0800に少しずつ接近中であり、ここを超えるとかなり強気トレンドになる可能性があると言えます。また、日本円も米ドルに対して大幅に上昇する可能性があります。理由は、日銀の10年債利回り目標を中心に設定したYCC修正とコアインフレ予測の上方修正の可能性によるもです。日銀は来週の会合で金融緩和による副効果を検討した上で、利回り曲線のゆがみを正常化するために追加措置を進めると今日報道されました。今日の日本円は日銀が金融緩和の撤廃を継続するとの憶測から恩恵を受けて、上昇しています。世界経済のリセッションへの警戒も、安全資産の流入を通じて日本円に有利に働く可能性があります。中国の経済再開によって、コモディティー連動型通貨が上昇していますが、コロナ感染者急増と新種の変異株の拡大などのこれからの進展によっては、経済の複雑化への懸念が強まり、これらの通貨にも強く影響が及ぶことが危惧されます。 株式市場はリセッション懸念がどこまで続くか 昨日の米株式市場は、CPI指数の減速予想によって急上昇で取引を終えました。今日発表の数値が予想を上回ったとしたら、株価が下落する可能性は高いと言えるでしょう。予想外に指数が下振れする場合に備える形で、市場は利益を拡大する可能性もあります。株式市場においてもFRB利上げ鈍化観測から恩恵を受けているものの、見通しは明るくないように見受けられます。12月の米ISM非製造業PMI指数は、2020年5月以来初めて縮小を示し、米経済のリセッション懸念が高まるなかで、米株価が近いうちに下落トレンドに向かう要素があります。S&P500は昨年1月の高値からの強い下降トレンドラインによってサポートされる可能性がありますが、もし仮に上昇したとしても、強気な投資家も意識せざるを得ない4155のレジスタンスゾーンに抵抗できるのかは未知数と言えます。