日本円、ゴールド&米株価が急騰

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今週水曜日の日銀政策発表前に円高

日本円は昨年に起きた大幅な下落以降、上昇し続けて復活し始めいています。

日本円は豪ドルと同様に今年最も上昇しています。

理由は金利差の縮小と世界経済のリセッション懸念やエネルギー費の冷え込みといった要因によるものです。

FRBの金利引締めサイクル終了とともに、日銀の長期金利上限の引き上げが行われたことで、金利政策の収束が市場の新たなテーマとなっています。

今のところ、日本債を売って円を買う準備に有利な条件が整っているので、今週水曜日の日銀による金融の正常化に向けた発表がどのようなものになるかが注目されています。

日国債の利回り上昇への期待で、幾度かその上限以上に到達したので日銀は多額の介入を余儀なくされました。

その一方で、市場は今週の日銀による0.1%の即時利上げを35%の確率と割り当てており、もし仮に現実となったとしたらマイナス金利からの真の意味での脱却と言えるでしょう。

しかしながら、東京でのインフレは今なお加速するなか、賃金上昇と個人消費は低調な傾向が続いているので、日本国内のインフレ力の持続性は疑問視されている状況です。

それゆえ、リスクマネージメントの観点からは日銀が切迫した行動をする必要がないとする見方もあります。

日銀が水曜日の政策会合で、現状維持を決定したとしたなら、日本円には相応のダメージとなるでしょう。

しかし、日銀が次なるステップへ進むのはおそらく時間の問題であるため、日本円の見通しは今なお明るいと言えます。

ゴールド急騰

先週はゴールドが続伸となり、昨年4月以来の高値である1.920ドル前後を更新しました。

理由はFRBが利上げの最終段階にあるとの市場の認識による米利回りと米ドルが急落している状況が要因にあります。

もちろん、中国人民銀行とトルコ中央銀行など世界の中央銀行が昨年末にゴールドの買いつけを増量したこともゴールド上昇に結びついています。

中国政府によるゴールド購入はロシアと違い、西側との関係悪化で軍事金が凍結することを回避するために外貨準備から貴金属へ資産を分散している可能性があります。

世界経済のリセッション・リスクと世界中央銀行による利上げ停止の可能性から、ゴールドを取り巻く環境は比較的良好であると言えますが、チャートは現在過度に拡大されているようで、引き戻しの可能性が高まっているとの見方もあります。

ウクライナ紛争が解決に向かったとしたら、ゴールドの安全資産としての流れが一旦停滞する可能性もありますが、ウクライナへの財政と高度な武器の援助が続く限りは、差し迫ったリスクになるとは言えないでしょう。

仮想通貨&米株価上昇で株式市場復活の兆し

年明け早々に、仮想通貨、ミーム銘柄や通貨が世界的なリスク選好と相まって、世界市場は2021年のムードを反映するかのような良いスタートでした。

インフレ減速での慎重なFRB姿勢と中国の経済再開および欧州の暖冬によるエネルギー危機緩和によって、リスクの高い資産が大きな復活を遂げました。

しかし、先週末の米主要銀行の収益報告は、米経済の後退を示すものとなったため、市場のムードとは対照的なものとなりました。

S&P500は今もなお、バリュエーションが割高であり、高値をつなぐ年間トレンドラインに近づきつつあるので、重要な岐路に立ってると言えます。

今日の米株式市場は、キング牧師記念日のため閉鎖しています。