日銀会合前に円は様子見&中国経済減速で株価下落

20230117

日銀政策会議前に日本円は様子見

今日の日本円は高値から小幅下落して米ドルに対しては、横ばいで推移しています。

明日の日銀による政策会合後における発表内容に注目が集まっています。

先月の会合後、日銀が予想に反して、利回り目標の上限を拡大した展開にならないとの予測が強まっていますが、ここ数日で日本の10年債利回りは0.5%の上限を繰り返し突破してイールドカーブ・コントロール(YCC)政策修正への期待が高まっている状況です。

日銀は、前回のYCC調整の反省に基づいて、さらなる持続的なYCCへの大きな課題を抱えています。

黒田総裁の任期終了によって後任者が引き継ぐことになる4月まで利回り上限を守るには、債券市場への多額の介入が必要となると見受けられます。

その一方、警戒されているのは、仮にYCC調整を実施するなら、新たな利回りの上限が再び設定されるので、このYCC政策自体を撤回する方が合理的であると言えるでしょう。

市場は現段階では、日銀会合を控えて様子見のように見受けられます。

中国GDP発表で警戒感

今日の市場は中国の経済指数発表を推し量っているなか、明日発表の米小売売上高とFRBメンバー発言を待ち構えているようです。

中国の経済成長率は第4四半期に前年比で2.9%減少し、通年数値は3%と政府目標の5.5%を大幅に下回りました。

しかしながら、ゼロ・コロナ政策解除によって今月の小売売上高と鉱工業生産が予想を上回ったので、中国の第4四半期のGDPは縮小の予想に反して、横ばいの推移となりました。

ゼロ・コロナ政策で国全体が閉鎖されていたことを踏まえると、データ自体の信頼性に疑問の声も上がりますが、経済回復は今後勢いを増して、見通しは明るいと言えるでしょう。

精彩を欠く株式市場

中国政府は混沌とする不動産セクターへの金融援助策を今日発表しましたが、株式市場は米・アジア市場ともに年明け早々の上昇から一転して赤字への下落となりました。

今週は第4四半期の決算報告が続き、債券利回りが上昇しているので、株式市場には警戒感が高まっています。

今日、米株式市場は祝日開けとなりますが、ゴールドマン・サックス、モーガン・スタンレー、ユナイテッド航空の決算報告が予定されています。

収益の後退が米株価に織り込まれていないので、決算報告次第では最近のボラティリティ低下は継続しない可能性があります。

世界の中銀は利上げ停止観測に反発か

為替市場では、米ドルが国債利回りの上昇に伴って、他の主要通貨に対して堅調に推移しています。

米国債利回りの上昇はゴールドの足かせとなり、インフレが世界各国でピークに到達したと市場は捉えたことで、ゴールドは今年すでに約4.5%も上昇しました。

FRBと世界の中銀の利上げ停止観測が引き金で楽観ムードとなり、仮想通貨にも良い影響をもたらしています。

ビットコインにおいては、今月すでに約28%も急騰している状況です。

しかし、世界の中銀が政策反転観測に対して、反発する可能性もあります。

今週後半には、ダボスでの世界経済フォーラムが開催され、ECBのラガルド総裁とスイス中銀ジョルダン総裁の参加が予定されています。

今日はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が発言予定で注目が集まっています。