日銀の政策維持発表で円安
今日は日銀が市場の予測に反して、超緩和的な政策を維持する姿勢を示唆したので、日本円は下落しました。
先月の日銀による10年債利回りの上下枠が拡大したことによって、市場は今回の会合でも追加修正観測が広がりました。
しかしながら、今回は長期金利の過度の上昇を防ぐために、いくつかの運用ルールの微調整に終始しました。
この政策維持発表前に、日10年物国債利回りは日銀の上限である0.5%を上回って取引されていました。
しかし、発表後には急低下して0.35%の安値を更新しました。
日銀は、これにより今後数週間はこの上下枠を維持することになりますが、次の3月の会合では展望レポートの公表がないので、金融引き締めへの期待は低くなると言えます。
この流れが円安トレンドの傾向を維持するかはわかりません。
木曜日の日本のCPI発表でインフレ加速が予想されているため、FRBが金融引き締め対策の出口に向かうタイミングで、日銀が独自の引き締め対策を講じると市場は予測する可能性が高いでしょう。
黒田総裁の任期満了に伴う後任者への引き継ぎで4月に日銀の緩和政策修正が再び脚光を浴びる可能性があります。
今日の会見で、黒田総裁は賃金が家計の取得と消費を押し上げるのに十分なほど上昇するまで、早急に金融刺激策を推し進める必要はないとの旨を表明しました。
ここ数か月の賃金減速のなか、新総裁による春闘での賃金交渉後の初会合となる4月まで待つ方が賢明な選択と言えるでしょう。
米ドルは小売売上高とPPI指数の結果次第か
今日は、12月の米小売売上高と米生産者物価指数の発表が続きます。
小売売上高は総合とコアともに11月よりも減少と予測されていますが、これは米消費者が支出に消極的になっていることを意味し、米インフレが今後数か月でさらに低下することが見込まれます。
生産者物価指数も、総合とコアともに低下が維持されることが予想されており、米インフレ減速を裏付ける形と言えるでしょう。
12月の米ISM非製造業PMIが縮小領域に下落したことで、軟調な小売売上高の結果次第では市場の米経済への警戒感が増すことになるでしょう。
米インフレ軟化への期待と米経済への懸念が同時に高まっている状況は、FRB利上げの影響が未だ完全に経済データに反映していないからだという憶測が広がりつつあります。
それゆえ、今年後半の市場の利下げ観測が、より高まることで米ドルは更なる売りに転ずる可能性があります。
米株式市場は経済指数結果に注目
先日のヨーロッパ株式市場は、9か月振りの高値で取引を終えました。
理由は、ECBが3月の会合で利上げ減速を検討しているとのレポートが背景となり、ユーロの小幅下落に結びついたと言えます。
しかしながら、市場は今もなお、2月、3月の会合で共に0.5%の利上げを織り込んでる状況です。
そのため、ECBがFRBよりも積極的な利上げを継続するとの期待が高まり、ユーロは米ドルに対して上昇する可能性があります。
米株式市場は、さらに複雑な結果となり、ダウ・ジョーンズはゴールドマン・サックス社の収益低迷により1%以上の下落でした。
中国でのテスラ社の売上高が急騰したことでナスダックはプラスで取引を終えました。
株式市場は各社の収益報告とともに、今日発表の米小売売上高も注目が集まります。
低調な結果に終わったとしたら、リセッション懸念により一層拍車がかかり、特にS&P500が2022年の1月の高値からの下落トレンドラインを若干下回っているので、一部の売りに結びつく可能性があります。