豪中銀はタカ派姿勢&今日のFRB議長発言に注目

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FRBパウエル議長発言前に株式市場は限定的な上昇

今日の取引はやや安定で始まって一部の株式市場は堅調に推移しています。

しかしながら、米ドルの復活は勢いを失っているように見受けられます。

先週金曜日の米非農業部門雇用者数の予想以上の上昇で株の売りが進み、米国債を除いて世界的に利回りが上昇し続けたので債券市場は苦戦しているようです。

先週末の米雇用統計とISMサービス業PMI数値によって先週米10年債利回りは、一か月ぶりの高水準である3.6550%に達しましたが、今日はやや下落している状況です。

堅調な米経済指標を受けて、FRBの利上げ停止観測は低下しました。

昨日のアトランタ連銀ボスティック総裁は、最新のドットプロットの予測以上での最終レートと0.5%の利上げの可能性を示しました。

この発言によって米国債利回りの引き下げは、さらに困難な状況になったと言えるでしょう。

今週の米財務省による計960億ドルの国債入札予定で需要が増すなかで、債券売りの傾向は自然な修正である可能性があります。

今日はワシントンのエコノミック・クラブにて、FRBパウエル議長による発言を控え、より多くの株の売りに結び付くかもしれません。

米株式市場はS&P500指数が二日連続で下落して、ハイテク株の多いナスダックも低調に推移している状況です。

FRBメンバーによるタカ派発言は、未だパニックを引き起こしかねない材料との見方が強かったものの、今回の反応は落ち着いたものでした。

先週の政策会合後の会見でパウエル議長が、市場の引き締めサイクル終焉期待に異議を唱えなかったことで、市場は今日も同じような発言を期待する可能性が高いでしょう。

また、今週は企業の収益報告も一段落しており、市場のトーンを設定するためにもパウエル議長の発言に注目が集まっています。

豪中銀タカ派姿勢による豪ドル上昇

為替市場では、アジアセッションでドル指数が一か月ぶりの高値を更新しました。

しかし、その後上昇は緩和し、ユーロとポンドはポジティブな勢いを失って下落しています。

昨日は、豪中銀が9回連続で利上げを実施したことで、今日の豪ドルは急騰し、米ドルに対して0.69ドルレベルで取引されている状況です。

豪中銀は予想通り0.25%の利上げを実施して、今後の利上げの可能性も示唆しました。

豪中銀にとってインフレ予測が楽観的であったとの見方があり、インフレとの闘いが長期戦であることを改めて認識する形となりました。

また、カナダドルも金利差の不利にもかかわらず、今日は上昇しているので、市場は先日のカナダ中銀による利上げ停止に対して疑問視しているように見受けられます。

日本円は賃金上昇で円安&ゴールドはバイデン大統領とパウエル議長発言に注目

今日の日本円は、米ドルに対して132円を超えて上昇しています。

理由は、雨宮副総裁が日銀の次期総裁に打診されたとの報道によって昨日の損失の一部を補填しているためでしょう。

しかしながら、12月の国内賃金が前年比4.8%であり、1997年以来の速さで伸びたとのデータから次期日銀総裁候補の報道は、それほど影響がなかったのかもしれません。

この春闘を前の賃金加速により、日銀による4月以降の金融刺激策の発表に期待が高まっています。

コモディティーでは、米ドルの堅調な推移と米中間の緊張緩和にかかわらず、ゴールドが上昇しています。

米国上空での中国のスパイ気球撃墜の後、バイデン大統領は両国間の関係への懸念に対して「変化はない」と述べました。

バイデン大統領は今日の会見で、中国およびロシアに言及するのではとの憶測が広がっています。

しかし、ゴールドの価格についてはFRBパウエル議長の発言がより重視されることでしょう。