堅調な米労働市場もドル下落でユーロ復活&円は若干下落

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米新規失業保険申請件数減少も米ドル下落

先日の米ドルはリスク連動通貨の豪ドルとNZドルに対して上昇していましたが、他の主要通貨に対して下落しました。

今日の米ドルは日本円とポンド以外の全ての通貨に対して下落しています。

FRBのタカ派姿勢も、市場はまだ金利の行方に対して疑心暗鬼なようです。

FRBは、5%以上の最終レートを長期間据え置くと示唆していますが、水曜日の脆弱な米経済指標を受け、市場は最終レートを4.85%に引き下げましたが、今日は4.9%に引き上げています。

先週の米新規失業保険申請件数は、20万5千件から19万件に減少しました。

そのため、市場は堅調な労働市場が金利上昇につながることを材料視している可能性が高いと言えます。

米ドルが復活しなかったのは、市場が堅調な結果でドル買いに向かうより、軟調な結果でFRBが政策転換した場合に、ドル売りに向かうことを示唆しています。

FRBメンバーが5%以上の最終レートの必要性を示したものの、市場価格はドットプロットが示す5.125%の水準を下回り、今もなお年末までの0.5%利下げを織り込んでいる状況です。

ECB総裁によるタカ派発言でユーロ復活

昨日のユーロは、米ドルに対して1.0800ドルを超えて復活しました。

ダボスでの世界経済フォーラムにてECBラガルド総裁が、ユーロ圏の高すぎるインフレによって、利上げコースを維持すると発言したことが要因としてあります。

この発言によって、ECBの3月会合での利上げ鈍化検討とのレポートを一蹴した格好となりました。

また、ラガルド総裁はECBの疑念は立場を見直すべきとして、0.5%の利上げを継続する意向を示しました。

それゆえ、ユーロドルは上昇し続けて、新たな経済指標結果によっては3月末までに1.1175ドルまで上がる可能性もあるでしょう。

その一方、日インフレ率が総合とコアともに日銀目標である2%の倍以上となったことで円は下落しました。

現在、市場は黒田総裁の任期満了となる4月での日銀の政策修正に注目が集まっています。

米株式市場は続落

米株式市場は、3つの主要指数全てが下落して取引を終えました。

米経済指標が米経済のリセッション懸念を高めたことが要因にあり、これは米国債利回りのわずかな回復によって鮮明化したと言えます。

株式市場の主な推進力は、投資家たちのリセッションに関するムードの変動に左右されているように見受けられます。

第4四半期の収益報告と経済指標がリセッション懸念を高めるなら、株価は今後もしばらくは下落し続けるでしょう。

逆にゴールドは、米ドル後退とリセッション懸念の恩恵を受ける形で、安全資産としての地位を取り戻したと言えるでしょう。

米国債利回りのわずかな回復にもかかわらず、ゴールドの上昇はさらに続きました。

次のレジスタンスとなる2000付近まで上昇するには十分な余地がある状況です。