ECB政策会合によるユーロ安&米企業決算結果による株価下落

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ECBは慎重姿勢

多くの重要なイベントで世界市場は緊張感に包まれる中、ECBと日銀の政策会合の結果、米GDPおよび米企業決算結果を消化していく動向が継続しています。

ヨーロッパでは、インフレを抑制するためにECBが0.75%の利上げ実施を決定しましたが、ラガルド総裁が慎重姿勢を示しました。

結果、経済指標が経済減速の兆候を見せ、利上げペースが今後鈍化する可能性を示唆しました。

今回の利上げ決定において、年内はバランスシート縮小には着手しないことが明らかになり、景気がこの先、悪化したケースではさらなる利上げを断念する可能性を示唆するものとして解釈されたことで、ユーロ上昇の勢いが失速していく状況です。

日銀は政策を維持

一方、日銀は世界の中央銀行の動向に左右されない形で、金利の据え置きを決定し、インフレの見通しが上方修正され、経済成長の見通しは下方修正されました。

日銀・日本の政府による迅速な政策変更の必要性が鮮明化しました。

日銀は円安の要因となる超緩和政策を維持することで賃金の実質的な上昇の兆しが見られたケースのみ政策変更を検討する段階です。

それゆえ、円は金利差拡大が色濃く影響する状態が続いています。

来週開催されるFOMC会合によって、さらにドル円相場は変動することになる模様です。

金利差が縮小しなければ、相場の転換は起こらない可能性が高く、政府による市場替介入は、一時的な効果はあるものもの続くことがないでしょう。

米株価下落

米GDPの上昇により、ユーロ安の流れが米ドル高を促進させました。

米第3四半期GDPは前年の同期比で2.6%増となり、景気後退の懸念を払拭しました。

GDPデフレーターの上昇ペース鈍化がインフレ上昇ペース鈍化を示すことで、輸入の低下がGDP計算では成長している状態と計測されます。

したがって、GDPは実質的な成長を反映しているわけではありません。

また、アマゾンの売上低下によって、米ドル高による輸出の低下が明らかになりました。

さらに消費者の支出低下によって、アマゾンの株価は14%下落しました。

他のハイテク銘柄と同様に、アマゾン株価の下げ幅はGAFAMの下げ幅と同水準となりました。

一方で、アップルの決算結果は市場予想を大きく上回ったため、株価の下落は回避しました。

したがって、まだ強気相場となるのは時期尚早であることは否めません。

ビジネス景況感および企業の警戒感を踏まえると、米利上げペースの鈍化への期待が未だ市場を支えているのが現状で、来週のパウエル議長の発言の如何によって、どのように変動するのか注目が集まっています。