米中間選挙およびCPI結果でドル下落

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共和党の下院優勢で米ドルさらに下落

米中間選挙の投票結果と米10月消費者物価指数の結果待ちの中、米利上げの鈍化見通しを引き続き、重要視されたため、米ドルが他の主要外貨に対してさらに下落しました。

FF金利先物では、来月に控えるFRB会合で0.5%の利上げが67%に対し、0.75%の利上げが33%と利上げのスローダウンが予測されています。

市場では利上げが大幅になるかの予測で意見が分かれていましたが、米中間選挙の投票結果速報が出ると共和党が下院で過半数を取る可能性が高いため、大幅利上げの可能性が低くなりました。

もし、ねじれ議会になると財政支援策の方向性は極めて低くなり、経済成長の鈍化とインフレーションの緩和が予測されます。

したがって、FRBの抜本的な大幅値上げの必要性が低くなります。

米ドルもは安定を取り戻しましたように見受けられますが、市場はねじれ議会も視野に入れているため、米ドル下落の幅は限定的になるでしょう。

木曜日に発表される米10月消費者物価指数の結果が次のフォーカスポイントになるといえます。

消費者物価指数で今後の米ドルは左右

今のところ、木曜日の総合CPIとコアCPI指数予想は共に下回っているので、FRBの積極的な利上げ緩和への期待が高まっています。

米ドル調整は可能になりますが、ドルが弱気傾向から脱却できるかは不鮮明です。

他の中央銀行が利上げの鈍化を示唆するなか、FRBがタカ派を未だ固持する可能性も残っています。

中国のゼロ・コロナ政策緩和レポートによる未確定の情報が錯綜するなか、ドルが安全資産として長期的な売りになる可能性は低いといえます。

中国の政府関係者がゼロ・コロナ政策緩和の可能性を限定的でも示唆した翌日に新規感染者が急増して、広州の南部では新たなロックダウンが行われました。

株価は調整モード

欧州および米株価上昇する一方、アジア株価が下落した背景には、中国の新たなロックダウンがあるようです。

本日発表された中国の10月消費者物価指数低下もアジア株価下落の一つの要因でしょう。

ねじれ議会になる可能性で、米株価は上昇を引き続き維持しています。

理由としては、ねじれ議会で民主党よりもビジネスを重視する傾向が強い共和党は、法人税の引き上げと規制強化等の法案に反対する可能性が高いためです。

明日発表される予定の米10月消費者物価指数がもしさらに低下した場合には、米利上げ鈍化ペース期待を背景に株価の買い圧力が強まると予想されます。

数か月および数年先のキャッシュフローで計算される成長株にとっては、非常にポジティブな展開になります。

世界経済減速の状況では、今回の株価上昇は下落相場での調整の動きとみられます。

一般的に安全資産という認識のゴールドは、米中間選挙の動きに反応し、早くも上昇傾向にあります。

しかし、利上げはゴールド下落の要因の一つとなるため、利下げおよび国債利回り低下は、利回りが発生しない資産にとっては有利に働きます。

米ドルの一段安にもかかわらず、昨日の原油価格は3.5%以上も値下がりし、いまも下落が継続しています。

理由の一つとして考えられるのは、中国国内での新型コロナウイルスの新規感染者数増加による原油需要への影響が懸念されたためです。