インフレーション伸び率の鈍化で株価急騰

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インフレの伸びが鈍化

先日発表された米消費者物価指数は伸び率を鈍化させ、世界市場には安堵が広がりました。

市場での米利上げ鈍化予測によって、米ドルは下落してリスク資産がついに急騰しました。

インフレは前年比で7.7%上昇し、予想の8%を下回り、物価高の危機に収束の予兆を感じた市場は今後の期待が高まりました。

米消費者指数は、ほぼ全分野で上昇幅が低下しました。

医薬品と中古車価格指数が特に大きく低下し、住居費のシェルター指数は急騰していますが、賃料が昨年の住宅価格の高騰を補完するための上昇であるため、この指標はFRBにとって懸念材料とはならないと予測されます。

先日の発表で、FRBが来月0.5%の利上げを行うとの見解が確実視され、ターミナルレートを5%以下に押し戻しました。

しかし、インフレは未だにFRBのターゲットの4倍を維持しているため、引き締め策の終焉と判断するには時期尚早であり、市場の完全な回復にはまだ早いといえそうです。

株価は急上昇

インフレ抑制に動き始めたことによって、市場はよりリスクの高い資産運用に運用に前進し始めて、全買いモードを引き起こしました。

米国債利回りが下落するなか、株価が急遽高騰してナスダックは史上最高水準の7.5%もの上昇を記録しました。

ドル買いは為替市場で最も多い取引だったため、米利上げ鈍化の期待から利益確保のためドル売りに転じたと予想されます。

ゴールド価格は昨日3%上昇し、今日も引き続き上昇傾向にあります。

ドルと米国債利回りの急激な低下は、ドルで価格設定されて利子が発生しないゴールドは、借入コストが低下するほど投資家にとって魅力的な資産となっています。

しかし、FRBの姿勢は未だに変えられていないので、市場のこのような反応は過剰であるといえます。

株式市場での7%超の急上昇は、一般的には良いサインとは言えず、実際には弱気市場を引き起こすものです。

ポジショニングは株式市場での売りが早く進んでいき、ドル買いが一気に清算される可能性を秘めています。

円の回復

米ドル安によって、最も上昇した通貨は円でした。

日米金利差縮小の見通しで、本日前半の円は約4%近く上昇しました。

円安の要因となった金利差拡大が収束する見方により、円の相場転換が浮上しています。

日本国内のインフレ上昇はエネルギー以外の価格にも波及しつつあり、日本政府は給与引き上げの企業へ助成金を含む2000億円規模の経済対策を発表しました。

さらに、先週には日銀・黒田総裁がイールドカーブコントロール調整の可能性を示唆しました。

FRBの利上げペース鈍化と円安要因のイールドカーブコントロールの緩和によって、円相場が転換する可能性は大いにあります。

日銀のイールドカーブコントロール変更は、賃金上昇およびインフレ状況によってどのように働くかはわかりませんが、円相場の転換は翌年に持ち越しとなりそうです。

しかし、市場の流れは徐々に変化が起き始めています。

中国はついゼロ・コロナ対策を緩和することで、濃厚接触者および渡航者の隔離機関を短縮しました。

この中国政府の動きを受けて、現在原油の価格が回復しています。