FRBと指標結果で米ドル回復&財政計画前にポンド高

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FRBタカ派強調

米ドルは今週で最安値付近を推移していますが、理由はFRBが市場で広まるハト派への方向転換を否定したためでしょう。

先週のCPIレポートによって米インフレ抑制が強く再認識されたことで、市場は楽観ムードに移行しています。

FRBはリスクオンの流れを変えるため、CPIレポートの結果を否定しました。

しかし、効果的ではなかったため、さらに引き締めサイクルは長く続かないと市場の期待を抑える方向です。

FRBウォーラー理事は利上げ継続の見解を改めて示し、サンフランシスコ連銀デーリー総裁も金利を5%前後に引き上げる必要があると示唆しました。

10月米小売売上高で大幅に回復したことを市場は好材料とみなし、米経済は変わらず過熱している傾向があるとのFRBの見解が鮮明化しました。

ポンドは中期財政計画を前に若干上昇

FRBのハト派発言の撤回でも、最近の急激な動きには効果がないようです。

最も顕著な例として、米長期国債利回りが数週間ぶりに安値を更新し、今日も下落を拡大しましたのちに若干の上昇にとどまっています。

FRBのタカ派発言および小売売上高データの結果は米ドル高に結びつかず、今のところは安定して推移していますが、短期的なリスクとして下振れが続いている状況です。

ドル円では140円台を回復できず、わずかに下回っており、ポンドドルはドル安の恩恵を受けたことで、1.20ドル台まで上昇しています。

英国はハント財務相による中期財政計画を発表を今日控えており、ポンドの復活にも強い影響をもたらすと推測されます。

今日、英政府は増税と歳出削減をともに発表する予定です。

トラス前首相が引き起こした経済混乱で失った信頼性を、英政府は取り戻すよう努めています。

しかし、財政政策が慎重になりすぎた場合には、すでに縮小している英経済の成長の余地までも妨げてしまう可能性が十分にあります。

一方で、財政引き締めの多くが次期選挙の予定される2024年まで先送りされるとの見方が強く、ポンドが引き続き回復へ向かう可能性は高いとも言えます。

半導体メーカーの見通し悪化による株価下落

中国政府の動きに加え、米ハイテク企業のニュースによって株価の上値が重くなりました。

マイクロン・テクノロジーおよびエヌビディアは業績見通しを下方修正しました。

マイクロン・テクノロジーは半導体供給と支出削減計画を明らかにしました。

エヌビディアは売上高が予想を上回りましたが、ゲーム事業の不振が浮き彫りになる結果となりました。

昨日、米3主要株価指数の終値は下落し、米主要株価先物指数は下落しました。

米中間選挙結果が確定していないので、米共和党の下院の過半数獲得ニュースは市場では限定的な反応に終わりました。

今日、米週次新規失業保険申請件数およびFRBメンバーの発言に市場は注目しています。

明日は、10月消費者物価指数の発表があります。