FOMC議事録控えリスク資産上昇&NZ中銀大幅利上げ

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リスク選好ムード復活

昨日、突然リスク資産が上昇した理由は、明確な指標やレポートがあるわけではないようです。

ドル安と実質利回りによるリスク選好後押しのため、変動率の予測が崩れ、S&P500は九月中旬以降の最高水準レベルで取引を終えました。

流動性が低下するホリデーシーズンに向けて、下振れ保護への需要がなくなったことは、株式投資家の独りよがりなのか、大幅にヘッジに頼っていることを示しています。

株式市場のバリュエーションと収益予想は引き続きソフトランディングに向かいつつも、債券市場はクラッシュランディングの可能性が高まり、イールドカーブは逆転領域に向かっています。

世界中において、経済成長の減速を示すデータが来年の不況の不可避を裏付けているため、株式は現実に即した判断が迫られることでしょう。

高いリスクを避け、守備を固めることに徹した方が無難な時期のようです。

NZ中銀が大幅利上げ

ニュージーランドではNZ中銀が0.75%利上げを決定し、キャッシュレートを4.25%に引き上げました。

これは市場のタカ派予想を反映した格好で、実際には1%の利上げも検討していたと報じられています。

NZ中銀の最新経済予測では、リセッションは来年との予測でオア総裁はこのリセッションの可能性を重視するまでには至りませんでしたが、インフレ抑制が最優先事項であることは変わらず、金利をさらに引き上げる必要があると強調しました。

NZドルは利上げニュースの結果、上昇しましたが、NZ中銀のタカ派発言や米ドル軟化およびリスク資産の上昇にも関わらず、NZドルが急速なリリーフ・ラリーに及ばなかったのは注視すべきことです。

中国と世界経済の混乱がニュージーランド国内のポジティブな動きに影響を及ぼし、見通しは未だ立っていない状況です。

欧州PMIおよびFOMC議事録の発表

欧州では、最新のビジネス調査の結果が不均一でした。

ユーロ圏の経済は今四半期に0.2%縮小している点においては一致していますが、10月からの減少幅が縮小して物価上昇率も落ち着きの兆候が見られます。

全体として、ユーロ圏はリセッションの危機であることを裏付けていますが、エネルギー価格の大幅下落により、リセッションは予想されていたよりも深刻ではないとの見方が強まっています。

したがって、ユーロ圏の展望は改善に向けて動いており、トレンド反転は時期尚早ですが、来年の話となるのと憶測が広がっています。

ポンドも似たような展開で、英経済はすでにリセッションが始まっているとデータが示唆しています。

今四半期では0.4%の縮小ペースで、新規受注等の将来を指し示す指標の急激な低下によって、英経済のさらなる縮小が予測されています。

英政府の金融引締め強化および経済後退によって、ポンドは世界のリスクセンチメントとして反映しやすいので、ポンドにとって好材料を見つけるのは困難であると言えます。

今日午後7時(GMT)に、FOMC政策会合の議事録が発表されてから、重要なインフレレポートとFRB高官の発言が引き続き発表され、この議事録は現状を反映していないにも関わらず、タカ派発言による米ドル上昇の一助になる可能性があります。