米ドル一段安&ECB議事録はインフレ懸念 投稿者: kaigaifx-trade2022年11月25日2022年11月25日市場ニュース 米ドル一段安 昨日、米ドルは他の主要外貨に対し一段安を更新しました。唯一、スイスフランだけが米ドルに対して動きはありませんでした。今日の米ドルは安定に推移しています。市場は水曜日に発表されたFOMC議事録公開を意識し続けています。会合後に利上げの一時停止は時期尚早としたFRBパウエル議長の発言が混乱を招いている状況です。市場は12月の利上げ0.5%を織り込み済みで、金利のピークおよびその後の展開について憶測していますが、議事録によって、2023年末までに0.5%利下げという流れが強く意識されているため、FRBタカ派の想定外の発言がない限り、来週に向けてドル売りが加速するでしょう。しかし、米ドルが大幅な調整を拡大したとしても、来週の雇用統計および12月中旬のFOMC会合を前に、弱気市場への転換にはまだ早いでしょう。 ECB議事録でインフレ懸念鮮明化 米株式市場は今日早くに休場します。市場はFOMC議事録の結果を材料視するので、株価はより回復の傾向に向かっています。議事録の発表後、株式市場は活発化し、欧州の取引にも波及したことで、ユーロストックス50は0.39%の上昇、ドイツDAXは0.78%の上昇を見せました。もし、ECB議事録の公表がなければ、さらに上昇した可能性もあります。ECB議事録では、10月のインフレデータが前年比の9.9%から10.6%に急加速したにも関わらず、すでにインフレ長期化への懸念が明らかになっています。 ユーロはドル安の恩恵 ECBシュナーベル理事が、小幅な利上げへの議論に対して否定的で、むしろ逆効果になる可能性があると発言し、市場は12月のECB会合で再び0.75%利上げを行う可能性を警戒しています。12月にECBがFRB以上にタカ派に向かい、ユーロ圏内の11月S&PグローバルPMI速報値が予想を上回ったなら、ユーロドルはサポート線をキープする可能性があります。ヨーロッパでのリセッションはより具体性を増してきていますが、ユーロ圏内での指数が予想していたよりも悲観的ではないという期待もあります。しかし、ヨーロッパでのリセッションは、より深刻で長期的になるとの見方が多くを占めており、ECBはタカ派をキープできるほどの余力がなく、ターミナルレートに関しては、FRBのようにいかない可能性があります。それゆえ、ユーロドルでの回復は強気トレンドへの転換ではなく、調整のように見受けられます。しかし、1.0350エリアや200日指数移動平均線など主要なテクニカルレジスタンスゾーンを超えるには、さらなる具体的な材料を必要としています。 原油価格は安定 昨日の原油価格は下げ止まり、今日のブレント原油先物とWTI原油先物は復調傾向です。G7のロシア産原油価格の上限設定について参加国の政府の意見は分かれています。上限が高位と判断した国々は、上限価格はロシア産原油取引内のため、上限設定にはならないと見なしています。その一方、海運業に依存する国々は、上限が低いと判断して補償あるいは移行期間の設定を要求していルため、今日も協議が継続されます。全般的な流れとしては、原油相場は中国市場を注視しており、今日の新規感染者数が中国で過去最多を記録したことで、規制緩和への期待が後退し、原油需要への懸念が一段と高まりました。今後は原油価格が再度の下落を開始することが予想されており、9月の安値を割り込む可能性も示唆されています。