中国コロナ抗議拡大によりリスク資産に打撃 投稿者: kaigaifx-trade2022年11月28日2022年11月28日市場ニュース 中国の抗議活動でリスク回避 中国の不安定な状況とゼロ・コロナ政策のさらなる見通し悪化への懸念により、リスク資産が低迷しています。先週木曜日の新疆ウイグル自治区での凄惨な火災で、ゼロ・コロナ政策によって住民が避難できなかったとの報道に端を発して、ロックダウン反対の抗議運動が中国国内で広がりを見せています。政府によるパンデミック対処に反対する全国的なデモに発展していることで前例のない規模になっています。政府として拡大し続ける抗議運動をどのように鎮圧するのか、今のところ不明です。そしてこの状況は、習近平国家主席および中国共産党にとって、これまでにないことのため市場も不安視している状況です。 日本円が安全資産の先鋒&ユーロも堅調 今日、安全資産の需要が急増しました。日本円とスイスフランが上昇し、為替市場を先導して米ドルはそれを追従しています。米国国債価格上昇で、10年利回りは7週間ぶりの最安値を更新し、ゴールドは低迷中で1オンス1.750ドルあたりで推移しています。円と米ドルに対して、最も下落したのは豪ドルとNZドルでした。円も米ドルに対して反発し、3か月ぶりの高値を更新し、ユーロおよびポンドは安定に推移しています。ユーロはヨーロッパの取引開始とともに上昇し、損失を打ち消しています。ECBによる金融引き締めへの様々な兆しにもかかわらず、来月の会合で0.5%よりも0.75%での利上げ予想が若干上回っているように見受けられます。これは11月のPMI速報値が予想を若干上回ったことで、市場は12月の大幅な利上げを期待しているようです。今日のユーロは上昇しています。今週水曜日の11月フラッシュインフレ予測発表を前に市場が慎重ではない姿勢を見せていないことは意外です。 さらなる原油価格の見通し悪化 中国でのデモ活動の報道で、原油需要の見通しに影響を及ぼし、原油価格が大幅に下落しました。中国政府による抗議参加者への厳しい取り締まりと記録的なコロナ感染者増加で制限強化が市場に懸念をもたせています。WTI原油先物とブレンド原油先物はともにおよそ3%下落し、1年ぶりの最安値を更新しました。中国の主要都市での抗議活動の報道は、先週金曜日の中国人民銀行による預金準備率を0.25%に引き下げる発表をかき消した形です。 中国の抗議活動で株価下落&パウエル議長発言に注目 中国のCSI300は今日の最安値から大きく回復はしたものの、1%以上下落して引けました。その他のアジア市場の株価も多くが値下がりし、欧州株価および米主要株価先物指数も下落しています。先週金曜日の米感謝祭の祝日により、流動性が低下した米株式市場は早期閉場となりました。ブラックフライデーでの小売売上高の懸念で、市場は横ばいになっています。多数の米経済市場の発表とFRBメンバーの発言予定で、今週の市場は通常通りに戻る予定です。今週は米10月PCEデフレーターと米11月非農業部門雇用者数が発表されます。市場は物価上昇圧力および米労働市場の鈍化を判別するために、指標はより注目されるでしょう。セントルイス連銀のブラード総裁およびニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言が今日予定されています。0.75%利上げの可能性が35%と未だ大きな割合を占める中、明日のパウエル議長の発言に注目が集まります。