米ISM指標後に米ドル高&米株価安

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米ドル復活の兆し

今日も米ドルは引き続き、上昇中です。

昨日の米ドルは、ほとんどの主要通貨に対して上昇しました。

理由は、月曜日の11月米ISM指数結果がサービス業のコスト高を鮮明化した経緯によるものです。

11月の賃金上昇を示す米雇用統計と米ISM指数上昇は、インフレの潜在的な加速懸念だけでなく、FRBの積極的な利上げにつながるとの見方があります。

現在市場のターミナルレート予想は4.96%です。

11月米ISM指数の発表前は市場予測は4.92%で、利下げについては来年末まで0.5%の利下げが今もなお織り込まれている状況です。

米利上げ上昇を支持するデータにより、米ドル高は今後もしばらくは続くと見られています。

米経済後退を示すデータが示されたとしても、安全資産の流入で米ドル高を下支えする可能性がありますが、リセッションへの懸念上昇によって、経済への打撃を避けようと市場ではFRBが利上げ鈍化の方向に向かうとの見方もあります。

そのため、米ドル上昇の余地がまだありますが、数十年ぶりの高値まで届くかはまだわかりません。

米ドルの年明けの動きについては、来週13日発表の米消費者物価指数および14日のFRB金利発表に注目が集まっていますが、米CPI指数の減速と2023年ドットの中央値が市場のターミナルレート予測を下回った場合には、来年度米利下げへ観測上昇と米ドル安に向かうとの予測が広がっています。

一方で、米CPI指数が加速した場合には、米ドルは回復する方向で進むと予測されます。

米株価は下落

米株価は大幅に下落が進み、S& 500は4セッション連続で赤字取引がされるという結果でした。

市場は今年4月に更新された今までの最高値から下降トレンドライン辺りで株式を売りと判断されたようです。

経済成長を示す指標で、株価が下落したことにより、リセッションを示すデータは株価上昇につながると言われているものの、ISM指数の発表後のFRBによる大幅利上げの可能性も踏まえ、株価が下落する可能性もあります。

経済の脆弱さを示す指標は株価上昇につながりますが、経済の深刻な見通し悪化が示唆された場合には損失を被った経済が、株式市場の前向きな発展をサポートすることは少なく、この関係は継続するとは思われません。

世界の主要中央銀行がすでにリセッションを警戒する今、この現象は現実に起きる可能性が高まっているように見受けられます。

Bank of AmericaのCEOは2023年度の3四半期において、ゆるやかなマイナス成長を予測し、JPモルガンCEOにいたっては、ゆるやかなリセッションから顕著なリセッションが起こる可能性を示唆しています。

FRBによる利下げで米経済を救済するとの期待があるので、リセッションの懸念が強まっていき、株価が下落するリスクは米ドル高の見通しよりも明白かもしれません。

カナダ中銀0.25%利上げか

今日カナダ銀行の金利発表に注目が集まっているなか、カナダ経済は順調にもかかわらず、市場は0.25%利上げを予測してます。

65%が0.25%利上げを支持しており、残り35%が0.5%利上げを支持している状況です。

市場は中国の住宅業界のバブルと中国の石油需要懸念を材料視しながらも、今までの利上げが十分ではないと判断しているようです。

世界第4位の石油輸出国であるカナダは、世界第2位経済大国および原油輸入国として最大の中国への依存は、カナダの成長見通しに大きな混乱を招くことでしょう。

中国のゼロ・コロナ政策緩和への期待が高まっているなか、中国経済のエンジン・リスタートには、もうしばらく時間がかかると思われます。

ロシア産輸出原油価格の上限設定による影響は今なお不鮮明であり、この不確実性によってカナダ中銀が0.25%利上げを維持する可能性はあります。