米CPI指数と米金利発表を控えて米ドル上昇

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PPI指数上昇で米ドル高

今日、米ドルは主要な通貨に対して上昇しています。

先週金曜日発表の11月米生産者物価指数(PPI)が予想に反して減速を示し、明日発表の11月米消費者物価指数(CPI)を取り巻くリスクが上昇したためでしょう。

市場は買い増しかポジションの一部を手仕舞いする方向に動いたとみられます。

もし、明日CPIが予想を下回ったなら、市場は米金利のターミナルレートを再び上方修正する可能性があります。

しかし、来年末のほぼ0.5%利下げを修正する可能性は低いと言えます。

米ミシガン大学は1年先のインフレ期待は2021年9月以来の最低となる見通しを公表しました。

市場はこの結果を精査する前に、FRBの決定と更新されたドットプロットの結果待ちを選ぶ可能性が高いでしょう。

市場のターミナルレートに近い2023年のドット中央値は、FRBが利上げ終了後に長期的な利下げ停止の方針を示したので米ドル高につながるとの見方が強まっています。

市場のピークを下回るドット中央値は、低い水準でターミナルレート到達、もしくは金利上昇後の利下げへの転換のどちらかを意味することから、現在の市場の方向性に信頼性を与え、明日発表のCPIが仮に強い結果となって米ドル上昇につながったとしても、長続きはしない可能性があります。

FRB金利政策発表を控えて米株価下落

先週のPPI上昇の減速によってインフレへの懸念が再燃し、借入コストがさらに上昇したので先週金曜日に米株価は下落しました。

明日発表のCPI指数がPPI指数のように上昇するならば、市場はリスクオフに向かうことにになるかもしれません。

しかし、FRBのドットプロットが来年末の金利低下と受け止められた場合には、買いに向かう可能性もあります。

米金利は利下げ期待が堅調に推移しても、米経済指標が弱い場合には米株価は下降トレンドとなるでしょう。

経済指標の結果は、今のところ低金利を支持していますが、損失を受けた経済は株価にとってプラスではないので、悪い結果がよい株価につながるとの従来のようには行かない可能性が高いと言えます。

今週、ECBと英中銀の金利政策発表

今週木曜日には、ECBとイングランド中央銀行の金利政策発表を控えています。

欧州は11月の予想以上のインフレ鈍化によって、市場では0.75%利上げでなく、市場は0.5%利上げの見方が広がっている状況です。

最新の経済予測は来年のリセッションを示唆しているので、ユーロの下振れリスクによってECBの一部のメンバーによるタカ派維持と大幅な利上げ支持派がユーロ上昇を下支えする可能性もあります。

ECBラガルド総裁は、11月のインフレデータに先立って欧州のインフレはピークに達していないと言及しました。

ECBレーン専務理事も数回の利上げが必要であることを示唆し、ECBのタカ派姿勢を後押ししている状況です。

欧州のインフレは依然として2桁にとどまっているので、過信の余地はないと言えるでしょう。

イングランド中銀も、今のところ市場は0.5%利上げで一致しています。

今回の利上げは小規模な会合からで最新の経済予想や記者会見が伴わないので、市場はイングランド中銀の声明を材料視する他ない状況です。

市場価格によるとイングランド中銀には、まだ利上げの必要性があると判断しており、その反対の動きは、ポンド下落につながる可能性があると言えます。

イングランド中銀はリセッションがしばらく続くと予測しており、明日発表の英雇用統計と水曜日発表の英インフレデータに注目が集まっています。