今日、米インフレ予測目安の米CPI指数発表

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今日の米CPI発表に注目

今日は世界経済を予測する重要なデータである米消費者物価指数(CPI)の発表を控えています。

11月のインフレ率は、前年比7.7%上昇から7.3%に低下するとの見方が広まっているなか、この減速は主にエネルギー費の価格下落と需要低下に対する企業の大幅な割引セールが要因とされています。

CPIの3分の一を占める賃料は、昨年の住宅価格上昇を追いかける格好で上昇しているので、他のカテゴリーの減速をないことにする可能性もあります。

CPI指標が予想の枠を超えた結果でない限り、明日の米政策金利発表に大きな影響はないでしょう。

しかし、FRBパウエル議長の記者会見のトーンに変化がみられる可能性はあります。

前回の政策決定以降の経済指標の回復力と金融環境の緩和は、インフレ抑制を優先するFRBにとって逆風になり得るので、パウエル議長は明日の記者会見でタカ派に徹する可能性もあります。

米ドルの見通しは大きな変化は見られず、今のところは横ばいで推移しています。

インフレ減速がキープされながら、FRB利上げ鈍化の可能性は高いですが、世界の主要経済はアメリカ経済よりも悪化の一途をたどっているので、米ドルが弱気トレンドに向かうことはないでしょう。

投資家が米ドル以外の通貨を安全な資産として投資先を見極めるまでは、米ドルの強気トレンドは続くとの見方が広がっています。

米株価は続伸

今週、米株価は上昇しています。

S&P500は1.4%ほど上昇しましたが、内訳はそれほど良いほどのものとは言えません。

今回の上昇は、予想外にボラティリティと米国債利回りの上昇を伴ったものです。

米CPIと米金利発表が売りを引き起こすと懸念されていますが、株を売るよりリスクをヘッジに託す方が好まれている状況で、前回のインフレ減速を示すCPI発表後の株価高騰のチャンスを狙っているとの見方もあります。

株式市場は、楽観姿勢と慎重さの絶妙なバランスで成り立っており、投資家はヘッジに頼ろうとしつつも、株価上昇の機会を虎視眈々と見定めているようにも見えます。

これは株価の不鮮明な見通しを色濃く反映しているとも言えるでしょう。

しかし、株価は上振れリスクよりも下振れリスクの方が大きいと見受けられ、バリュエーションは過去の基準から言っても、今なお割高感は否めません。

先行指標は経済の急速な減速を示しており、FRB金利引締めの影響にはタイムラグが生じるので、来年の収益予測はマイナス修正に影響を受けやすいと言えます。

見通しは改善も円は下落

昨日の利回り回復は米ドル上昇には結びつきませんでしたが、結果的には円安になりました。

日銀の四半期短観調査などの12月の日銀政策決定前の最後となる重要な指標発表が控えています。

直近の日本のインフレ加速にもかかわらず、今月の日銀は金融引き締めに向かう可能性は低いと言えるでしょう。

理由は賃金上昇がインフレ加速に追いついておらず、日本経済が第3四半期に縮小傾向にあったためです。

しかしながら、来年4月の黒田総裁の任期終了によって、日銀は政策を調整する可能性も出てきています。

そのため、円の反転は早くとも来年以降になるでしょう。

世界的なリセッションリスクのなか、他の主要中銀が金融引き締めを行うのと同様に、日銀も政策の小規模な引き締めを実施するとみられます。