米インフレ減速で米ドル下落&今日FRB金利発表

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米インフレ減速で警戒感薄れ

昨日は米消費者物価指数(CPI)が発表され、改めて米インフレ減速が確認されました。

これにより、インフレ抑制のためにFRBが大幅な利上げをしないと市場は判断し、世界市場の警戒感が薄れる方向に向かいました。

11月の米CPIは予想は7.3%でしたが、7.1%上昇しました。

エネルギー費と航空運賃、そして中古車と衣料品の分野で価格は低下し、インフレ圧力の改善を示唆した形になり、消費者の購買力をサポートする良い影響を与えました。

危惧されていた家賃や食費も上昇が減速しており、ディスインフレの進行を指し示していますが、FRBが目標とするインフレ2%まで達するまでの時間は不鮮明です。

労働市場が緊迫している状況のため、FRBにとっては70年代のインフレ再燃への緊迫感はまだ残っていると言えるでしょう。

米ドル下落&米金利政策発表

昨日、為替市場では米ドルが下落しました。

市場は現在ターミナルレートを再調整し、4.8%は超えないと推測していますが、米ドルは日本円と豪ドルに対して大幅に下落しました。

日本円は利回り格差の縮小、豪ドルは株式市場の恩恵を受ける形となりました。

今日は、米政策金利発表が予定されています。

市場は0.5%利上げで一致しており、ドットプロットの更新予測とFRBパウエル議長の発言に注目が集まっています。

今日のFRB会合後、パウエル議長が記者会見でインフレ鈍化を認識して将来的に過度の引き締めが経済成長のリスクにつながると強調したなら、米ドル安と米株価の上昇が予測されます。

その一方、金融環境は実質的に緩和し、米国債利回りの低下と米株価上昇により、インフレが来年再発するリスクも増加します。

それゆえ、パウエル議長は賃金上昇がインフレ上昇にともなわず、早期の金利引締め緩和による悪影響を考慮して、インフレ減速をやや控えめに発言する可能性があります。

米ドルの見通しは中立的ではありますが、FRBの軟化姿勢は米ドルに対してマイナスを引き起こしますが、世界でリセッションリスクが高まるなか、米ドルが完全に弱気トレンドへ転換する可能性は低いと言えるでしょう。

米株価&ゴールド価格急騰

米インフレ減速のニュースを受け、米株価は高騰しました。

市場はFRBの来年度への軟化姿勢を予測し、米経済が難題であるソフトランディングを達成するとの新たな流れを誘発しましたが、この収益もセッションが進むにつれて減速しました。

市場は今週の各国の中銀金利政策決定による混乱を前に、帳簿保護のため利確に動いた形です。

昨日はゴールド価格がドル換算と米国債利回り低下によって、今年6月以来の最高値まで上昇しました。

ゴールドは年間を通じて1%減少となりますが、著しい金利上昇とその他の資産の急激な損失を踏まえると、こ有望な兆しと捉えることもできるでしょう。

今日の米金利政策発表後は、今週はECBとイングランド中銀およびスイス中銀の政策金利発表を控えます。