タカ派FRBに市場は半信半疑&ECBと英中銀本日金利発表

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FRB経済予測に市場は半信半疑

昨日、FRBは政策金利を予想通り0.5%利上げしました。

経済予測では、来年の失業率とコアインフレ率の更なる上方修正と停滞速度でのGDP成長率への調整で見通しは良いものではなく、米経済は全体的に悪化しています。

改正後のドットプロットでは、19人中17人のFRBメンバーが来年末に5.0%以上の利上げ達成を予測している状況です。

FRBパウエル議長は、逼迫する労働市場を強調し、賃金上昇と潜在的なサービスインフレに対して強固な態度で対応する必要性を述べたため、大幅利上げを支持するタカ派姿勢を正当化した格好です。

この発言にかかわらず、米ドルは下落で取引を終え、株価はほぼ下落することなく、また米国債利回りが変動なく推移し、市場はFRBの決定に半信半疑に見えます。

この市場の動向から、FRBは来年の金利政策に対して予測が経済環境の引き締め戦略であり、信頼性に乏しいものだと判断したように見受けられます。

米ドル&米株価はFRB発表も反応鈍い

今朝の米ドルはやや上昇しましたが、米国債利回りは上昇していません。

今日のECBと英中銀の政策金利発表を前に、市場はポジションを調整している可能性があります。


今週の米インフレ指数とFRB利上げ決定に示される通り、米ドルは堅調よりも軟調な展開に影響を受けやすい傾向にあるようです。この状況は、ここ数週間でドル買いがいかに増幅しているかに反映されています。

FRBの決定に米株価は反応が鈍く、昨日S&P500は0.6%のみの下落で終了しました。

今日の先物は始値が約1%の損失となり、中国からの悪いデータの他に、明白な引き金となる材料がない状況です。

ECBと英中銀およびスイス中銀、今日金利発表

スイス中銀は今日0.5%の利上げを発表しました。

世界の中銀による大幅利上げが期待されていたので、やや期待外れの結果で終わり、スイスフランはやや下落しました。

イングランド中銀も今日0.5%の利上げが予測されており、0.75%の利上げは30%の可能性を保っています。

英インフレは今もなお高騰しており、英中銀はすでに来年度のリセッションを含む形で企業調査も現実的と示唆しているので、大幅な利上げに移行する段階ではないと見られます。

英中銀による小幅な利上げと慎重すぎるメッセージによって、ポンドがやや下落する可能性もあります。

今日、ECBも金利発表で、英中銀と同様に0.5%利上げが予測されていますが、それ以上の利上げについても30%の可能性があります。

エネルギー費の下落とユーロのリセッションリスクのなか、0.75%利上げは現実的とは思えないでしょう。

ECBによる0.5%利上げも、ユーロ圏には当初はダメージとなりましたがユーロが下落し続けるか否かは、ECBの来年のバランスシート削減計画の発表次第となるでしょう。

もし、発表された場合にはユーロは初期の損失を補い、かつ上昇に向かう可能性があります。

経済指標では、今日の米小売売上高の発表に市場では注目が集まっている状況です。