ECBタカ派姿勢&米小売売上高は大幅に減少

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ECBの0.5%利上げ鈍化&引締め対策強化

昨日は米ドルは主要通貨に対して上昇しました。

ECBによるタカ派発言があったユーロでさえも、米ドルに対して下落しました。

一方、ユーロは米ドル以外の他の通貨に対しては上昇しました。

昨日のECBは大方の予測通りに0.5%の利上げを発表しました。

ラガルド総裁は決定後の会見にて、利上げ鈍化はECBの方針転換ではなく、今後0.5%利上げ継続の可能性が高いとタカ派を支持しました。

また、ECBは来年の3月から債券保有の減少計画も示した形で引き締め政策を強化しました。

市場は、今週のFRBタカ派姿勢に半信半疑でした。

FRBによるターミナルレート5%以上引き上げ修正に対して、市場はターミナルレートを4.88%付近と予測し、来年末の0.5%利下げ予測を修正しませんでしたが、昨日のECB利上げ決定後に、市場は預金金利のピークを2.75%から3%に上方修正して、来年末にわずか0.1%の利下げを織り込みました。

安全資産として米ドル上昇

昨日の米ドル上昇は、FRBタカ派発言のみが理由ではなく、米小売売上高の結果によるものと見受けられます。

要するに安全資産の需要が増加した結果と言えるでしょう。

米11月小売売上高の結果、米ドルは一時下落しましたが持ち返して上昇しました。

リセッションへの懸念が高まるなか、米ドルの安全資産としての魅力は増加しています。

しかしながら、市場は来年FRBが方向を転換することを予想しているので、米ドルに代わり日本円やゴールドが安全資産となる可能性が高いです。

ここ数か月の間、米ドルは一時的に上昇したとしても、今年9月にような高騰を維持するとは言えないでしょう。

市場はFRBよりもECBタカ派を材料視してい現状では、ユーロが米ドルに対して回復する可能性もあります。

弱気トレンドへのレジスタンスラインは1ユーロ1.08ドル圏内であり、市場がユーロドル反転を意識しはじめて、圏外へ転換も可能性があるかもしれません。

米株価下落&今日、12月米PMI発表

昨日は多くの資産が下落しました。

ECBのタカ派的な見解で欧州株価は大幅に下落し、米小売売上高が予想を下回る結果であったため、米株価も下落しました。

この時期は、芳しくないニュースは株価にとっても良いニュースとはならず、翌年の利下げ観測上昇でも株売りに結びつきました。

深刻な経済へのダメージは企業収益にも影響し、相場の大きな転換を引き起こす可能性も高まっています。

株高か否かは、本日発表される各国の12月PMIの結果が色濃く影響することでしょう。

3つのPMIは全て縮小が予測されている現状ですが、サービス業PMIは上昇し、製造業PMIは横ばいを維持する見通しです。

総合PMIは、47.0から46. 4までの低下が予測されており、PMI結果が昨日の市場懸念を緩和させたとしたら、株価はやや回復するかもしれません。

FRBによる引き締め政策の効果が発揮されていないなか、全体的な見通しは良くない状況を維持する結果となりそうです。

スイス中銀と英中銀0.5%利上げ発表&原油価格下落

昨日、スイス国立銀行とイングランド銀行は0.50%の利上げを決定しました。

スイス国立銀行は追加の利上げは示さなかったものの、イングランド銀行では追加の利上げが示されました。

イングランド銀行9名のメンバーの内、6名は利上げに賛成しましたことで、昨日のポンドは大幅に下落した通貨となりました。

各中央銀行の利上げとリセッションリスクの上昇によって、原油価格は下落しました。

今週の前半での回復にもかかわらず、市場は特に中国の需要低下を意識しざろうえない状況のようです。

中国のゼロ・コロナ政策緩和は原油相場にポジティブな要因のはずですが、中国の経済活動の再開にはまだまだ時間を要するでしょう。

11月小売売上高と11月鉱工業生産の結果など、中国経済の悪化によってマイナスが継続しているのが現状です。