米リセッション懸念で米株価安定&米ドル安に

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米PMI指標でドットプロットを不安視

クリスマス休暇を控えて、今週のトレード量は例年通り、少なくなることが予想され、今日は楽観ムードで取引が始まりました。

市場は、なおもFRBのタカ派姿勢を警戒していますが、リセッションへのサインに敏感に見受けられます。

先週の金曜日発表された米PMI指数とユーロ圏のPMI指数はともに50を下回り、世界経済のリセッションを浮き彫りにした形です。

ユーロ圏はやや改善が見られたにもかかわらず、市場に安堵感が広がることはありませんでした。

経済見通しの悪化と物価圧力の緩和が示されたことにより、市場は先週のFRB発表よりも下回るターミナルレートを織り込むこととなりました。

債券市場は、このところ数週間は非常に不安定でしたが、米国債利回りについては横ばいの推移が続いています。

また、米国以外の利回りが上昇したので米ドルは主要な他の通貨に対して下落しました。

今のところ、米ドルと米利回りともに、先週のFRBパウエル議長発言への反応は限定的にみられます。

市場は米金利政策の維持に懸念があるようで、FRB予測以上に米経済の減速を警戒していることを示しています。

米ドルは特にユーロに対して下落しましたが、ユーロはECBのタカ派発言によって、ユーロ圏での利回り上昇につながりました。

日銀の金利政策は明日発表

米ドルは円に対して復活した形で、1ドル134円台で底をついた後に上昇しています。

日銀が緩和政策からの転換を示唆しているため、ドル円の状況は今後変わることになる可能性はあります。

日銀は明日の金利政策発表で、金融政策を据え置く可能性もありますが、日銀は利回りをゼロ近辺に固定したイールドカーブ・コントロール政策の来年度の見直しを示唆しているのが現状です。

明日の日銀発表で明確に方針を示すかは分かりませんが、インフレ対策に強気な姿勢を示したなら、日本円は上昇する可能性が高くなるでしょう

サンタクロース・ラリーになるか

今日、米と欧州の株式市場はいわゆる「サンタクロース・ラリー」と呼ばれるクリスマス前の最後の入札の可能性がありますが、先週水曜日以来、米株価は3セッション連続で下落していているので、今日はその後の単なる補正で終了する可能性もあります。

今週のFRB高官の発言を市場は材料視しており、今週金曜日の米個人消費支出物価指数(PCE)に注目が集まっています。

アジアでは、中国の主要都市でのコロナ感染者が拡大したことによって、供給への懸念が高まっている状況です。

また、コロナ政策を一部緩和したばかりの北京の対応にも、市場としては警戒感が強まるほかないでしょう。

中国でのコロナによる死者がレポートされていますが、中国政府としては経済の回復に重きを置いているようです。

中国の主導者たちは、2日間にわたる年次経済会議で、消費と投資の促進に力を入れる方針を示唆しました。

しかし、これに関する前向きなレポートにもかかわらず、中国内の株価が上昇することはなく、ベンチマークであるCSI300指数においては今日1.5%下落で取引を終了することになりました。