日銀YCC修正により円高続伸&株価上昇 投稿者: kaigaifx-trade2022年12月21日2022年12月21日市場ニュース 日本円は高値続伸 今週火曜日の日銀による10年債利回り上限幅拡大を受けて、日本円は続伸しています。日銀は債券市場の機能改善に必要な調整と慎重な姿勢を見せましたが、市場は退任する黒田総裁が金融刺激案からの最終的な脱却を狙ったと意識したように見受けられます。この発表によって、日本円を取り巻く状況は一変し、米ドルに対しては特に2か月前の1ドル150円から、1ドルおよそ130円と著しい変動をみせました。この政策転換によって、多数の日本国内投資家が資金を海外投資から日本に移しだす可能性があります。それゆえ、ここ数日間でより一層の円高が進行する見方が強まっています。また、米経済のハードランディング不可避への懸念のなか、米ドルはこれまでの利益の大幅な縮小に向かっているため、ドル円にとって、かなり大きな節目となりそうです。11月の米建築許可数の大幅な減少は、米経済の脆さを鮮明化した形となりました。米ドルの次のハードルは、金曜日の米PCE指数発表となります。11月に米物価上昇圧力が緩和されたと予想され、日本円はインフレ上昇を示す金曜日のCPI指数発表が今までに比べて、より注目されるでしょう。また、今日はカナダでもインフレ指数が発表され、カナダドルに影響することでしょう。 日債券は日銀の上限に到達 今週はクリスマスホリデーを控えて流動性が低下していますが、リスクセンチメントについては、債券市場が主導権を握っています。今月は世界の債利回りが上昇して、株式など金利に敏感な資産に対して圧力となっている現状です。現在、世界の各中央銀行は利上げのペースを鈍化している傾向が強いですが、来年の初頭には数回の利上げが待っていることでしょう。借り入れコストの上昇が企業と消費者に与える影響はシリアスで、中央銀行としても金利引締めを一旦停止することはないという見方が広がっています。日銀は来年利上げを実施する可能性があり、日本国債利回りの上昇圧力が高まっている現状です。今日の日銀による予定外の債券買いオペにもかかわらず、10年物国債利回りは0.5%の上限に到達したので、円高を支える形となりました。 株価も上昇 アジアセッションでは、他国の利回りは上昇からはやや緩和していきました。この動きは一時的かもしれませんが、株価の回復も支えていると言えるでしょう。昨日、S&P500とナスダック総合指数は小幅上昇し、4日連続の下落にピリオドを打ちました。Eミニ先物は欧州株価がリードする形で、本日は上昇しています。現段階では、この株価復活には疑問を呈する感は否めませんが、マスク氏のツイッターCEO辞任のニュースを機に、テスラ株が急騰していることもあって、年明け前にミニサンタクロース・ラリーとなる期待が高まっています。