米経済指標で米ドル軟調推移&米株価上昇

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FRBハト派転換へ期待で米ドル下落

昨日の米ドルは他の主要通貨に対して、やや上昇しましたが、今日は売り圧力によって下落しています。

米ドルの下落は、FRBのハト派姿勢への期待が米ドルに影響を及ぼしていると推測され、米国債利回りの低下からもその理由が濃厚でしょう。

市場は今のところ、金利ピークを4.88%から4.84%に引き下げましたが、今もなお来年末までの0.5%利下げを想定している状況です。

米インフレ鈍化と1年後のインフレ期待も緩和しつつある状況も、FRBの5%強のターミナルレートを市場は材料と見なしていないようです。

米リセッションへの不安から、米ドルが安全資産として上昇しているとしても、9月の頃のようないかないでしょう。

日銀の政策修正で日米の利回り格差は縮小しています。

米国債利回りの低下によって、米ドルが安全資産の地位から陥落し、円が安全資産として取って代わる可能性があります。

それゆえ、ドル円は130円50銭のサポートゾーンをさらに下回る可能性があります。

消費者信頼回復&好調な収益で米株価上昇

昨日のナイキ社とFedEx社の好調な四半期収益発表に支えられ、米株価は上昇しました。

12月の消費者信頼感の回復は、クリスマス前後の一時的な消費増加が反映されているので、今後の経済の明るい見通しとは言えないのが現状です。

S&P500は今年1月の過去最高値から、下降トレンドラインを推移してレジスタンスから反転した3920のサポートゾーンを下回っている状況です。

来年の米リセッションへの懸念により、理由もなく明るい見通しへと向かうことはないでしょう。

昨日発表された11月米中古住宅販売数は前月比で7.7%減少しました。

住宅業界は住宅ローンの金利上昇に大きなダメージを受け、先週の米小売売上高とPMI指数とともに、FRBの金融引き締め対策が十分ではないことを証明しています。

クリスマスで流動性低下と年末のポートフォリオのバランス調整により、来週は株価が一時的に復調に向かったとしても、年明けには見通しが悪化して株価は再び下落するとの見方が広がっています。

米原油在庫減少で原油価格3%以上上昇

昨日は原油在庫が予想以上に減少してブレント原油先物とWTI原油先物ともに3%以上も上昇し、原油価格も上昇しました。

原油価格は、今月9日に約1年ぶりの最安値更新後に回復モードに入って、中国のゼロ・コロナ政策緩和への期待と相まって、今週は高値を更新しました。

しかしながら、中国の経済リスタートによる原油の需要復活には、まだ時間がかかるので本格的な強気トレンドへの反転とはなっていません。

ブルームバーグ社によると、中国のコロナ感染者数と死者数の急増がリポートされており、新たな中国経済の混乱に警戒感が広がっている状況です。