米GDP上方修正で米ドル上昇&今日米PCE指数発表

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米失業保険申請件数減少&GDP上方修正で米ドル上昇

昨日の米ドルは、多くの主要通貨に対して上昇し、今日は円に対しても上昇しています。

先週の米新規失業保険申請件数が予想を下回った上に、第3四半期の米GDP上方修正が米ドル上昇に向かわせました。

この好調なデータによって市場はFRBによる利上げ持続を予測しているのかもしれません。

これによって市場は金利のピーク予測をやや引き上げましたが、今もなお来年末の0.5%利下げを織り込んでいる状況です。

米経済成長は、昨日発表された経済指標のみならず、最新の情報に注目しながら慎重にFRB利上げ観測によって形成されていくように見受けられます。

先週の新規失業保険申請件数は予想を下回りましたが、労働市場は未だ緊迫しています。

継続的な申請件数は、1月以来の高水準にとどまり、GDPの上方修正は主に個人消費と企業投資の上方修正を反映して住宅市場の落ち込みは予想以上に深刻な状況といえます。

上述した経済指数により、来年の米経済のリセッションへの懸念は継続中と言えます。

今週発表されたアトランタ地区連銀によるGDP NOWで、第4四半期の経済成長を前期比2.7%上昇と予測しましたが、住宅投資は21.5%の急落を見込んでいる上、この10年連続で予想以上に深刻な下落を示唆しているとの見方が強まっています。

米コアPCE指数がFRB利上げに影響

今日、米国では11月の個人消費支出物価指数(PCE)が発表されます。

また、11月の個人所得と支出のデータ、耐久財受注も同時に発表されます。

耐久財受注の減少と個人取得および支出の減速が予測されています。

コアPCEインフレ率は前年比5%から4.7%の減速が見込まれ、市場はCPI指数を材料視する傾向にありますが、FRBはPCE指数を重視するでしょう。

PCE指数が4.7%に減速したなら、市場はFRBの方針転換を予測することでしょう。

それゆえ、米ドルが9月に記録した数十年ぶりの高値を更新するほど回復する可能性は低いと言えます。

来週のクリスマスホリデーによる流動性の低下とインフレ減速の指標結果によっては、米ドルは大幅に下落する方向との憶測が広がっている状況です。

米株価下振れリスクで下落再び

昨日の堅調なデータの結果は、市場のFRB利上げ懸念を誘発して、米株価は下落しました。

堅調なデータは、一般的に株価にネガティブな形で反映されますが、軟調なデータが株価に必ずポジティブに反映するとは言い切れません。

最新の米PMI指数や小売売上高が米経済のリセッションへの不安を高めたことで、株価の売りに結びつきました。

そのため、株価はなおも下落に向かうリスクがあります。

S&P500は現在50日と100日の指数移動平均と一致する3920のキーゾーンの下からの圧力を受けています。

S&P500指数は1月に反発した過去最高値からの下降トレンドラインを下回っている状況です。