年明け早くも日本円&ゴールド上昇

news-20230103

日銀インフレ予測上方修正で円高

新年早くも、金融市場は活気の良いスタートで始まりました。

ゴールドや日本円といった金利に影響を受けやすい資産が上昇中です。

市場は2023年は不安定になると予想しており、ポジショニング自体はかなり警戒感は否めませんが、今なお流動性不足のため、今後の動向はどのようになるかは不鮮明と言えます。

流動性の乏しい環境では、一般的に「ノイズ」であって「サイン」とまではいきません。

薄商いのなかでは、市場が何のニュースも無いなかで突発的に動いたり、小さなニュースでも大きな影響を与えることがあります。

日銀が今月末の会合で、インフレ予測の上方修正検討とのレポートによって、日本円は上昇しました。

これに伴い、イールドカーブ・コントロール政策の調整はより道が開かれ、金利差縮小が円相場に有利に働くことになると言えます。

全体的に、日本円は昨年の円安のような状況にならず、円高になる傾向があるでしょう。

昨年の日本円は、他の中央銀行との金利政策の隔離と高騰するエネルギー費による貿易ショック、コロナによる観光客不足といった要因により下落しました。

しかし、今年は早々に復活の兆しを見せています。

世界経済成長への懸念のなか、日本円は安全資産として再び復活する可能性に期待したいところです。

ゴールド上昇で明るい見通し

ゴールド価格は、新年早くも1%上昇と堅調に推移しています。

ゴールドは米ドル建てのため、米ドルの上昇は基本的にはマイナス効果になりますが、今のところは上昇しており、実質利回りの後退から恩恵を受けている状況です。

利回りの他にも、年明けはゴールド需要は増加する傾向にあり、季節的な要因も上昇の背景にあります。

先月12月、中国人民銀行がゴールドの保有増加というニュースがありましたが、世界の中央銀行のゴールド買いはおそらく別の要因でしょう。

流動性の乏しい取引環境においては、短期的な価格変動から結論を導くのは避けるのが賢明です。

しかしながら、世界経済が後退するとの警戒心と世界の中央銀行による金利政策緩和期待のなかで、今年のゴールドの見通しは明るいと言えるでしょう。

オール「買い」モード

2023年は早くも、米ドル、債券、ゴールドそして米株式指数に連動する先物すべてが黒字になり、市場は「買い」モードに覆われています。

これは、実にストレンジな現象であり、市場の実際のムードの影響下というよりも、低流動性での毎年のポートフォリオ調整が関係していると言えるでしょう。

為替市場では、米ドルと円の上昇が他の主要通貨の損失に換算されており、豪ドルとユーロには特に影響を与えている状況です。

独インフレの急速な減速によって、ECBによる将来の利上げ鈍化観測が高まったため、ユーロ売りが始まったよに見受けられます。

米株式市場は本日から再開します。

米先物は、テスラ社が四半期の販売目標を達成できなかったとのレポートが材料としてあるものの、約1%の上昇を示しています。

テスラ株価は、市場取引前にほぼ4%の下落を更新しました。

全体として米株式のリスクとリターンは今なお未知数と言えます。

S&P500は今もなお今年の推定収益の17倍で取引されています。

この収益が経済指標に色濃く反映することを鑑みると、この数値はかなり高いと言えるでしょう。