ゴールド上昇&FRB議事録公表を控え米株価下落 投稿者: kaigaifx-trade2023年1月4日2023年1月4日市場ニュース ゴールド上昇 世界市場は年明け早々、ナーバスな展開となりました。市場はゴールドや債券などのディフェンシブな安全資産への投資を増やし、株式や原油などのリスクが高い資産への投資を減らし、今後の世界経済が困難になる年になるとの憶測が広がりを見せているなか、準備しているようです。ゴールドは先日6か月ぶりの高値を更新して堅調にキープしています。理由は利回りの急激な低下と米ドルの軟化、年明けという季節的な要因が原因であると見受けられます。リセッションと中央銀行の金融引き締め緩和に特徴づけられるマクロ経済情勢は、ゴールドにとってはポジティブな兆しであり、次なるハードルは1,875ドル辺りとなるでしょう。 米ドルは小幅下落&豪ドル上昇 警戒感は為替市場にも影響しています。日本円は今のところ順調に推移しています。理由は、世界的な利回りの低下と4月までに日銀がマイナス金利脱却のために最初の利上げを実施するとの見方が強まっているからです。その一方、米ドルは不安定な動きで今年初めの堅調なスタートからは、今日は打って変わって小幅下落しています。今日は米ISM製造業景況感指数と12月のFBR議事録公表を控えており、市場は様子見しています。どちらの発表も、流動性の欠いた市場に大きな影響を与える重要な発表になるでしょう。米ISM製造業指数は米経済の縮小を予測しており、FRB議事録公表でFRBのターミナルレートについては5%以上と見積もったFRBの見解を市場が受け入れなかったため、議事録からさらに議論が発展すると見受けられます。2020年に豪政府がコロナウィルスの起源を巡って国際調査支持表明後、中国政府が禁止した豪州石炭の輸入を再開検討とのレポートを受けて、今日豪ドルは上昇しました。石炭はオーストラリア最大の輸出品ですが、中国が世界消費の半分以上を占めるため、この規制緩和で豪ドルへの需要も高まるとの憶測が広がっています。 テスラ社&アップル社株価下落で米株価下落 米株価は今日が年明け取引開始日ですが、アップル社とテスラ社の株価下落によって、下落しています。アップル社株価は、需要が低下する中、サプライヤーに部品製造数の減産を支持したとのレポートを受けて3.7%も下落し、テスラ社株価は四半期ごとの納車台数目標を下回ったことが原因で、12%も下落しました。その一方、欧州株価は急騰しています。ドイツとフランスのインフレ鈍化によって、ECBの利上げ鈍化に期待が高まり、ヨーロッパ全域で株価が上昇しています。エネルギー価格の継続的な下落とともに、リセッションが比較的穏やかになるのではとの期待から、独DAXでは現在、過去最高値のわずか12%近くまで上昇しています。米株価と欧州株価との大きな違いは、バリュエーションの差です。米株式市場はヨーロッパよりも大手のプレミアム銘柄が席巻しています。この差は、過去10年間のヨーロッパでの成長傾向鈍化と絶対的権力を誇るハイテク銘柄の欠落に起因します。欧州市場が公平な価値で取引されていることは、世界的な売りモードの場合、欧州市場が下振れになるリスクは限定的になる可能性を示唆していると言えるでしょう。