FRBメンバーによる小幅利上げ支持の発言続く
今日は中国やアジアの主要市場が旧正月のため休場のため、金曜日のリスクラリーは勢いを失って静かなスタートを切りました。
しかしながら、FRBメンバーらの軟化姿勢発言を受けて前向きなセンチメントが高まっている状況です。
先週の米小売売上高の発表後、米経済のリセッション懸念が広がりましたが、FRBメンバーのウォーラー理事による次の会合での0.25%の小幅利上げ支持で、金利政策転換への期待が高まりました。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も同様に小幅利上げを支持しましたが、カンザス連銀のジョージ総裁はサービスインフレのリスクを挙げて、やや慎重な姿勢となりました。
先週末に米国債利回りが上昇した理由は、今もなお引き締めが行われるというメッセージが明らかなためかもしれません。
しかし、市場はFRBメンバーの発言の微妙なトーンの変化を気にしているように見受けられます。
ウォーラー理事は、インフレが正しい方向に改善された場合、政策方針変更に積極的な姿勢を見せました。
ブレイナード副議長もインフレ圧力の後退を認めました。
次回会合での0.25%の利上げは、現在ほぼ完全に織り込まれており、最終レートも市場が示唆する5%をわずかに下回るまでに落ち着く可能性が高まっています。
この方向が続く限り、リスク資産へのサポートにもなるとの見方が強まっています。
ネットフリックス社&グーグル社の影響でナスダック急騰
先週金曜日の米株式市場は、FRB軟化姿勢といくつかの企業のポジティブなニュースを受けて、急上昇しました。
S&P500は1.5%上昇しましたが、先週の損失を完全に取り戻すまでに行きませんでした。
その一方、ナスダック総合指数は2.7%も急騰し、11,000レベルを超えて取引を終えました。
とくにネットフリックス社は新規加入者が予想を超えて増加したことから、8.5%まで上昇しました。
また、グーグルの親会社であるアルファベット社が大規模な解雇計画を発表したため、株価が上昇しました。
ナスダックは、ハイテク大手の収益報告がまだ発表されていないものの、上昇している状況です。
マイクロソフト社は明日に発表を控えており、水曜日にはテスラ社の発表が続きます。
市場はやや楽観ムードと言えますが、今年は収益の後退が現実となる可能性もあるので、リリーフ・ラリーで終わる可能性もあります。
しかしながら、今のところはムードは良好であり欧州株も今日は上昇しています。
米ドル&日本円下落もユーロ上昇
市場のポジティブなムードは、今後の政策見通しによって下落傾向にある米ドルや円などの安全資産を一段と下落させる形となりました。
先週は日銀がイールドカーブコントロール政策の維持を決定後、円高の流れは鈍化したようです。
この動向によって、米ドルインデックスがやや上昇しました。
米ドルは円を除く主要通貨に対して下落し、7か月ぶり安値付近まで値を切り下げています。
ユーロドルは、2022年4月以来初めて1.090ドル台越えまで到達しました。
ユーロ高の背景には、ECBメンバーのクノット・オランダ中央銀行総裁の発言がありました。
ECBは、今後数回の0.50%の追加利下げの可能性がありますが、FRBは利上げの最終局面に入っているように見受けられます。
ユーロ圏がリセッションを回避できる兆しが強まり、2023年のユーロの見通しは徐々に改善しつつあります。
ユーロ高の見通しは、明日発表されるユーロ圏1月PMI指数で鮮明化されると言えるでしょう。
ポンドは、米ドルに対して1.24ドルがレジスタンスラインとなっています。
英国は他国よりもシリアスな物価高の危機に直面しているので、消費が一段と鈍化している状況です。
今日、最も堅調推移した豪ドルは、米ドルに対して0.70ドル台越えまで到達しました。
その一方、NZドルは下落している状況です。
アーダーン前首相の突然の辞任によって、市場は後任のピプキンス氏への慎重姿勢にやや傾いたようです。
今週水曜日に政策会合を控えて、カナダドルの上値も重くなっています。
カナダ中銀の政策会合では、利上げの一時停止も選択肢として検討されているとの見方が強まっています。