米GDP発表前に米ドル下落&カナダ中銀利上げ停止へ

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カナダ中銀の利上げ停止示唆でFRBに期待

昨日の米ドルはカナダドルとNZドルを除く主要通貨に対して下落しました。

米ドル下落の理由は、経済データの欠落とECB&FRBへの期待の乖離から、市場のドル売りに結び付いたためです。

今週発表されたユーロ圏PMI速報値は1月の成長に戻りましたが、米PMI数値は7か月連続で縮小となりました。

さらに、カナダ中銀が0.25%の利上げを決定して、利上げ停止を示唆したことから、FRBもこの流れに続くとの懸念によるものと見受けられます。

しかしながら、FRBによる来週の会合での利上げ停止観測を言い切るにはまだ早いと言えるでしょう。

FF先物によると、市場は2月と3月の2会合連続での0.25%の利上げをほぼ完全に織り込んでいる状況です。

その一方で、FRBは0.75%の追加利上げとその後の長期一時停止を予測しているにもかかわらず、市場は年内で0.5%利下げの可能性を今もなお織り込んでいます。

今日米GDP発表&ECBはタカ派発言続く

今日は第4四半期米GDPの速報値に注目が集まります。

第3四半期の3.2%から2.6%の減速が見込まれていますが、まだまだ力強い成長をつづけていると言えます。

しかし、過去2か月間の低調な米小売売上高と製造業および住宅部門のリセッション、さらには大幅利上げの経済影響へのタイムラグによって、この数値は最後の堅調な成長になる可能性もあります。

今日のGDPの数値が下振れの場合には、米経済のソフトランディングに反して、リセッションの深刻化への懸念を引き起こす可能性が高いでしょう。

もしそうなったば場合には、米ドルは特にユーロに対して下落軌道にとどまるでしょう。

今週初め、ECBのパネッタ専務理事が3月以降の動きについて推測することを控えるべきと発言したと報道されていますが、ドイツ中銀ナーゲル総裁とアイルランド中銀マクルーフ総裁ともに、ECBによる利上げが第2四半期まで及ぶ可能性について発言しました。

ECBラガルド総裁およびメンバーのタカ派発言、またユーロ圏の経済改善とコアインフレの加速が相まって、ユーロは上昇し続けるでしょう。

先日のユーロは米ドルに対して1.0900を超えて上昇しました。

近いうちに1.1175圏内まで上昇する可能性もあります。

カナダ中銀の利上げ停止示唆でカナダドル下落

昨日のカナダ中銀は累積的な利上げの影響を査定する間、利上げを一時停止する可能性を示したため、カナダドルは下落する形となりました。

しかしながら同時に、カナダでのインフレを目標まで戻すには利上げの必要性も示している状況です。

米ドル下落と中国経済の再開に楽観ムードが漂っているなか、米ドルおよびカナダドルは復活して利益を取り戻す可能性もあります。

米株式市場は企業収益報告続く

米株式市場はS&P500とダウ・ジョーンズがオープニングレベルで取引を終えましたが、ナスダックは0.18%の下落となりました。

企業収益報告に注目が集まり、S&P500の企業のうち95社が既に報告を終えました。

予想を上回る収益報告は平均以下となっており、アナリストたちは総利益の予想を下方修正している状況です。

今のところ、S&P500の利益は年明けの1.6%減少予想に反して、前年比で3%減少しています。