米株式市場は楽観ムード&今日の米PCE指数に注目

20230127

米ハイテク大手の影響で株式市場は楽観ムード

今週ナスダックは4週連続で上昇傾向にあり、今年のハイテク株復活の兆候を見せるなか、第4四半期の企業決算シーズンが本格化してS&P500の3分の2以上の収益が予想を上回っていると報告されています。

しかしながら、マイクロソフト社やインテル社のように今期の業績が芳しくないハイテク企業の大手もあり、今期の収益全体像を正確に反映しているように見受けられません。

市場はこの暗い見通しへのリスクを材料視せずに、今月中は楽観ムードにあるようです。

この楽観ムードを維持していることに根拠がないわけではありません。

昨年のテクノ株は苦戦し、高騰するバリュエーションは大幅に下落しました。

そして、ハイテク企業の大手による最新の大量解雇レポートもこの不況を乗り越えるための対策に着手したと前向きな材料として捉えられています。

その一方、テスラ社の売上高は継続的に上昇しています。

水曜日に発表された収益は大幅に上昇して、マスク氏は今年の自動車販売が2百万台を超えると楽観視しています。

昨日はテスラ社の株価が約11%上昇して、ナスダック指数を1.8%押し上げましたが、IBM社の株価はEPSの予想を下回り、4%以上も下落する形となりました。

リセッション懸念の緩和で原油上昇&ゴールド下落

今日のアジアセッションでは、リセッション懸念の緩和により、前向きなセンチメントが高まっています。

昨日の米GDP速報値は第4四半期に予想をわずかに上回り、失業保険申請件数も昨年4月以来の最低水準となりました。

中国政府は今月のコロナ感染による入院数と死亡者数が減少していると発表しました。

そのため、コロナ感染が中国の経済回復の障害にはならないと市場は判断したもようです。

この中国の状況は、原油価格の上昇にも結びつき、今週初めの損失を取り戻すことになりました。

その一方で、米ドルが8か月ぶりの安値から反発した後、ゴールドは下落しました。

ゴールドは1オンス1.925ドルで取引を終えて、昨日の9か月振りの高値である1.949ドルから若干下落しました。

米ドル堅調推移&日銀へのYCC修正期待で若干の円安

堅調な米経済データの影響で、米国債利回りが上昇して米ドルも恩恵を受けているように見受けられます。

しかしながら、今日のヨーロッパ市場の開始後は、米ドルは横ばい推移しています。

データ発表後も、来週の米政策会合で0.5%利上げの確率は若干の上昇を見せたにすぎませんでした。

この理由は、FRBが慎重になると市場が警戒感を強めたためと見受けられます。

今日の米PCE指数が予想通り軟調であるなら、市場はFRBのタカ派姿勢を材料視することはないでしょう。

12月のコアPCE物価指数は前年比で4.4%減少し、個人消費も前月比で0.1%減少すると予想されています。

東京でのコアCPI指数は、1月に前年比4.3%と予想以上に上昇しました。

それゆえ、日10年物国債利回りも0.48%まで上昇し、日銀の利回り上限である0.5%に近づきました。

これによって、日銀によるイールドカーブ・コントロール維持への疑問が高まりつつあります。

リスクオンの流れに逆らって、今日は円安傾向にあるものの、円安は小幅で来週に控えるFRBおよびECB、そしてイングランド銀行の政策会合前に、多くの主要通貨ペアは昨日と似たような動きを見せている状況です。