米ドルが安定推移&今週の主要中銀政策発表に注目

news-20230130

世界主要中銀の政策発表前に市場は様子見

今週は、FRBとECBおよびイングランド銀行の政策発表が予定されています。

また、米株式市場のハイテク大手の今期収益報告と米雇用レポートを控えて、世界市場のボラティリティ変動の起因となる発表が続きます。

とくに水曜日に発表されるFRBの発表に注目が集まります。

ついに米インフレは減速を示して経済成長の勢いを失っているように見受けられます。

しかし、米雇用市場は非常に堅調なものの、経済状況が緩和しているので第2のインフレが起こるリスクがあります。

市場は今回の0.25%利上げを完全に織り込んでいるため、会合後のパウエル議長の発言を一層材料視することになるでしょう。

利上げの縮小へのタカ派姿勢は、引き締めサイクル終わりの先伸びを確信させて、今年後半での利下げ観測を低下させる可能性があるでしょう。

その一方、ECBとイングランド銀行は0.5%の今もなお、利上げが予測されている状況です。

イングランド銀行については疑問視される部分もありますが、ポンドは英経済のリセッションリスクへの懸念と株式市場のパフォーマンスに影響されることになるでしょう。

株式市場は楽観ムードで一息

今年の株式市場はこれまで楽観ムードが続いています。

ナスダックが主導する米株式指数は上昇しており、VIX(恐怖指数)はFRBの引き締めサイクルが始まって以来、最も穏やかに推移している状況です。

この状況の理由は、最もリスクが高い、質の低い企業が要因であると言えます。

ミーム株においても仮想通貨の代替として復活して、有効期限ゼロ日の非常に危険なオプションとして、市場は2021年のような非常にギャンブルの様相を呈しています。

この楽観ムードの理由は、FRBの量的引き締めサイクルによる影響からの流動性によるものとの見方が強まっています。

米国財務省は別の債務上限のこう着状態に直面したことで、FRBの現金バッファーを使い果たしているので、流動性が金融市場に戻ってきたからです。

最新のラリーは、一時的な流動性の注入と異例のオプション活動およびショートポジションの圧迫によって可能となった現象と言えるでしょう。

S&P500は現在、成長鈍化の中で今年の推定利益の約18倍で取引されています。

今週の大手ハイテク社の収益報告結果やFRBの予想外の利上げによっては、株式市場は売りの圧力に対して弱くなることになるでしょう。

原油価格はOPEC会議に注目

コモディティーでは中東の新たな緊張にもかかわらず、今日原油価格は下落しています。

イランの軍事施設へのドローン攻撃におけるイスラエルの関与を示唆するレポートにより、中東に緊張感が拡大している状況です。

現段階では、石油のインフラは被害を受けていないようですが、地政学的な緊張に直面してもなお、エネルギー市場は落ち着いています。

原油価格は、中国の経済再開への楽観ムードが欧州と米国のリセッション懸念を退け、ここのところ数か月横ばいで推移しています。

明日から開催されるOPEC会議にも注目が集まります。

今日はとくに重要な経済指標の発表はなく、今週後半の主要国中銀による政策発表に先立って、ポジション調整とヘッジで市場は終始する可能性が高いと言えます。