主要中銀の政策発表を控えて米ドル上昇 投稿者: kaigaifx-trade2023年1月31日2023年1月31日市場ニュース FRBは小幅利上げもタカ派姿勢継続か 昨日の米ドルは他の主要通貨に対して上昇し、今日も続伸中です。主要なデータやイベントがない中、市場は明日の米政策発表を前にショートポジションの一部を清算しているように見受けられます。明日の会合では0.25%の利上げが予想され、FRBの中には利上げの減速が適切であると公言するメンバーもいます。しかしながら、FRBは今もなお最終レートを5%以上として長期間の据え置きを主張しています。それゆえ、明日の会合後の声明とパウエル議長の会見は、タカ派寄りになるかもしれません。その一方で、市場は5%未満を最終レートとして、年内の0.5%利下げも織り込んでいます。明日の会見でのタカ派姿勢は米ドルにとっては、やや有利になる可能性があります。市場はFRBの方向転換を示唆するデータ発表後は、積極的に米ドルを売るようですが、米経済の堅調なデータ発表後でも、それほど米ドル買いには動いていない状況です。そのため、米ドルが急騰する可能性は低いと言えます。明日のFRBタカ派姿勢によっては、0.5%利上げの継続を確信したうえで、ドル上昇を限定的にするかもしれません。 スペインのインフレ加速によりECBタカ派強調か 先日はスペインのインフレが半年ぶりの加速とのデータによりヨーロッパの株式市場は売り圧力を受けたことで、赤字で取引を終えました。このデータによって、ECBの今後の会合での0.5%利上げが継続するとの見方が強まりました。ドイツの第4四半期の経済成長が予想外に縮小したことも材料視された可能性がありますが、1月のユーロ圏全体のPMI速報値は、成長に転じたので、これらの懸念も薄れる可能性が高いです。ユーロ圏の経済は、依然としてリセッションのリスクがありますが、当初の予想よりは後退リスクが緩和すると見られています。明日発表のユーロ圏インフレ加速予想と相まって、ECBはタカ派姿勢を強め、ユーロは上昇し続けるとの憶測が強まっています。今週の米政策発表と堅調な労働指標により、たとえユーロドルが下落しても、この下落は新たな買いの機会となる可能性があります。そして、この潜在的な復活により、ユーロドルは近い将来1.1175辺りとなる可能性もあります。ユーロドルの上昇トレンドにとってハードルとなるのは、ECBのハト派転換となるでしょう。 米国債利回り上昇&FRB会合前に米株価下落 昨日は米ドルとともに、米国債利回りも上昇して米株式市場は赤字で取引されました。米株式主要3指数全てが下落し、とくに金利に鋭敏なナスダックにおいては、ほぼ2%もの下落となりました。市場はFRB議長とそのメンバーのタカ派姿勢を織り込んでいるように見受けられますが、ナスダックとS&P500ともに、以前の下降トレンドラインを超えて取引されているため、投資家の長期的計画は今のところ未知数と言えます。今週木曜日に、ハイテク大手のアップル社・アルファベット社・アマゾン社の収益報告が控えており、市場の見解が明確になる可能性が高いですが、S&P500の総利益は現在3%減少と予想されているため、各社の収益報告が仮に低調だったとしても、小幅減少を示すなら、復活の見込みがあると言えるでしょう。しかし、米経済指標がさらなるリセッションを示唆したとしたら、ダメージを受けた経済は、企業とその将来の収益にとってはポジティブな材料となりません。S&P500を例にとれば、強気な投資家でさえも、4150前後辺りが抵抗領域となるでしょう。