本日米金利政策発表&FRB議長発言に焦点

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FRB議長の発言に焦点

今日は米政策会合発表に注目が集まっています。

市場は今回の0.25%利下げ鈍化を完全に織り込んでいるので、パウエル議長による会合後の会見が焦点になると言えるでしょう。

米インフレ圧力はようやく緩和しつつあり、米経済指標もリセッションを示しています。

その一方、労働市場は今もなお非常に堅調なので金融環境は緩和しており、インフレ第2波のリスクを引き起こしている可能性があります。

FRBとしては労働市場に実際のダメージが波及するまで、インフレを打破したことにはならないと言えます。

それゆえ、パウエル議長が軟化姿勢を示すなら、この工程を長引かせる金融環境の緩和を引き起こしかねないので、バランスを保つことが最善策となるでしょう。

パウエル議長は労働市場が堅調のなか、インフレ率が未だ高いままであることを強調することで、市場の年内の利下げ観測を引き下げる狙いがあるかもしれません。

市場は現段階では、この状況を疑問視している状況と言えます。

一方、株式市場は楽観ムードで軟調な米ドルと低いボラティリティにより、タカ派のFRB議長の発言に耳を傾けないでしょうが、慎重になる必要があるとの見方が強まっています。

株式市場の楽観ムードの真偽

今年の金融市場は楽観ムードに包まれている状況が続いています。

FRBの引き締めサイクルの終焉、欧州でのリセッション減速、中国の経済再開による需要復活によって、世界経済の見通しがポジティブな方向に向かっていると見られています。

しかしながら、現実にはFRBのバランスシート縮小過程の影響によって大規模な流動性が影響している可能性もあります。

FRBが量的引き締めによって金融システムからの流動性低下を狙っていますが、リバースレポの削減と米国財務省による現金残高の消耗で、効果は相殺されている状況と言えます。

今年、純流動性が米金融システムに追加されたので、株価の急騰と米ドル上昇への限界を引き起こしました。

今年最高のパフォーマンス株は、流動性に影響されやすい点と昨年は不採算であること、そして質が低く、大幅にショートした企業になります。

流動性が高い場合は、株式市場は都合の悪いニュースを軽視して米ドルは脆弱になる傾向があります。

しかしながら、これは一時的な現象とも見てとれます。

米議会で債務上限の合意に達して、財務省が現金残高を再構築しはじめると、一気に逆転する可能性があります。

今日はこの件に関して、バイデン大統領と共和党マッカーシー下院議長の会議が予定されています。

また、企業の収益がロールオーバーのマクロ経済にもかかわらず、S&P500は先物利益の18倍で取引されており、楽観とは言えない状況であることは否めません。

重要な米経済指標発表とECB&英中銀政策会合

今日の米政策会合に先立って、ユーロ圏のインフレ数値・米ADP雇用統計・米ISM製造業PMI数値などの重要な経済指標の発表が続きます。

収益面では、ソーシャルメディアの大手メタ社の第4四半期決算が控えています。

市場は明日のECBとイングランド銀行の政策金利発表にも注目することでしょう。