FRB中立姿勢で株価上昇&今日ECBと英中銀の金利政策発表

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FRB発表後米ドル下落&米株式市場は急騰

昨日のFRBは予想通り0.25%の利上げを実施したことで、さらなる引き締めを警告しました。

パウエル議長は会見にて比較的中立的なトーンでインフレの進展を認めましたが、年内の利下げ予定はないことを強調しました。

また、パウエル議長は深刻なリセッションなしにインフレが抑制されるとのソフトランディングの可能性を示しました。

さらに「ディスインフレ」の兆しに言及したのちに、インフレとの戦いに勝利したとの発言は時期尚早であり、今後何度かの利上げが予期されることを示唆したことで、バランスを取ったように見受けられます。

パウエル議長は、これまでも金融環境の緩和への懸念を繰り返してきましたが、昨日はこの緩和懸念に消極的であったことに市場は着目したようです。

そのため、市場は敵はFRBではないと認識して、リスクの高い資産への投資のゴーサインと受け止めた模様です。


この会見によって米国債利回りが下落したため、株価とゴールドが急騰する形となりました。

今日ECBと英中銀の金利政策発表

ユーロは、今日のECB政策発表を控えて米ドルに対して1.10ドル付近まで上昇しました。

ECBはラガルド総裁が前回の会合にて、基本的に事前の利上げを予期したとおり、0.5%の利上げが広く予想されている状況です。

ユーロにとっては、次回3月の会合での利上げ幅に注目が集まっています。

今のところ、ユーロ圏はガス価格の下落によって明るい経済成長の見通しのなか、インフレ加速が続いているので、さらなる0.5%の利上げを実施するかどうかは疑問が残ります。

その一方、イングランド銀行は、2桁のインフレ抑制と企業調査による急速なリセッション懸念のバランスを保つため、大きな問題を抱えています。

市場は今回0.5%利上げを織り込んでいますが、会合での投票が大きく二分した場合や経済予測がリセッションを暗に示す場合には、ハト派への転換が示唆される可能性もあります。

それゆえ、ポンドの先行きは楽観とは言えません。

イングランド銀行による利上げ引き締めサイクルは効果が出ておらず、広範囲なストライキなど英国経済は今もなお危機的状況が続いています。

世界的なリスクセンチメントに鋭敏に反応するポンドは、ここ最近の株式市場の楽観ムードが薄れる場合に備えて、売り圧力に対して脆弱になると見受けられます。

大手テック企業の収益報告続く

今日の米株式市場は、大手テック企業の収益報告が続きます。

アップル社・アマゾン社・グーグル社の全てが市場終了後に報告を控えています。

報告結果によっては、S&P500などの指数の重みを考えると市場全体にかなりのインパクトを与える可能性があります。

昨日、メタ・プラットフォームズ社は計画済みの設備投資を廃止して、400億ドルの大規模な自社株買いを発表し、時間外取引で株価が20%も急騰しました。

全体として、市場には楽観ムードが未だ漂っていますが、必ずしも根拠があるとは言えません。

先行指標の経済減速およびマイナス利益にもかかわらず、S&P500の最近の上昇の背景には収益の18倍以上の大規模な拡大があります。

今年の最もパフォーマンスの高い株は、最低品質で昨年多くが損失で終わっているので、このラリーの主導は不安定な基盤と言えるでしょう。