堅調な経済指標で米ドル急騰&株価下落、日銀次期総裁報道で円安 投稿者: kaigaifx-trade2023年2月6日2023年2月6日市場ニュース 市場はFRBの予想観測を受け入れ姿勢 先週の金曜日に米雇用統計が発表され、1月の雇用者数が予想以上の51万7千件に上昇しました。理由は、リセッションへの懸念を反証する結果と言えます。引き締めサイクル終焉のなかで労働市場が非常に多くの雇用を生み出しているという事実は、高い金利の持続を裏付ける形となりました。また、その一方で市場の年内利下げ観測に疑問が残る格好ともなりました。さらに、米ISM非製造業PMI指数がビジネス活動や新規注文および部品価格まで予想を上回ったので、FRBの方針転換を支える材料が疑問視されている状況です。とくに部品価格の上昇については、インフレとの闘いはまだ終わりでないことを市場に改めて認識させる機会となりました。これらの指標によって、FF金利先物はFRBの予想金利を5.0%以上に上方修正し、年内の利下げ観測は大幅に低下しました。今週の米経済指標は主だった発表はありませんが、FRBパウエル議長はじめメンバーの発言が控えているので、注目が集まるでしょう。先週の水曜日のパウエル議長の発言は様々に受け取られ、米株価の上昇につながりましたが、金曜日の株価下落となった株の売りが一時的か現状の確認であったのか、市場は今週のFRBメンバーの発言で確認することになるのは間違いないでしょう。 株価下落もパニック売り回避 最新の株式市場の上昇を支えていたハイテク株は、先週末の債券利回りの急騰で下落しました。先週金曜日は米10年債利回りは20%以上も上昇し、3.58%と日中の最高値を更新する形となりました。1月の株価復活後、ハイテク企業のバリュエーションは既に精査されており、利回りの上昇は限定的となる可能性が高いでしょう。市場は、ショートポジションを増やす前に米経済の見通しに関する指標などを材料視することになるでしょう。しかしながら、雇用者数の増加と失業率低下にもかかわらず、1月の賃金の伸びは減速しており、ソフトランディングの期待が高まります。来週のCPIレポートはこの見解を裏付けることが焦点となると言えるでしょう。米株式市場のダメージが限定的であるのは、FRBがこれ以上タカ派となる可能性は低く、最悪でも最終レートは5.0%から5.25%に達すると見られているためです。ナスダック総合指数は今日1.6%下落し、S&P500は1.0%の下落です。Eミニ先物はアクティビジョン・ブリザード社の収益を前に、今日も赤字で取引されている状況です。 ゴールド一時下落も米中間の緊張再燃で損失回避 今日のゴールドは1オンス1.860ドルの安値を更新したのち、回復しつつあります。利回りと米ドルの復活は、ゴールドにはポジティブな材料ではなく、先週のピークとなった1,960ドル弱から約5%下落しています。これは、3か月続いたゴールドの上昇に続く短期的な修正の可能性が示唆されています。現段階では、ゴールドは米中間での地政学的な緊張から恩恵を受けているじょうきょうであり、先週の土曜日には米国は中国からのスパイ気球の疑いで、空域上空を飛行する中国の衛星を撃墜しました。これに対して、中国政府はただ気象データを収集する気球であることを主張して、米国が過剰反応していると批判しています。米中間の関係が、ここ最近前向きに向かっている矢先での出来事のとなりました。 米NFP発表で米ドル続伸&日銀次期総裁報道で円安 今日は日銀の次期総裁候補に雨宮副総裁が任命されたとの報道で円安になりました。政府はこの報道の真偽については否定していますが、雨宮氏は日銀の超緩和政策の立案者の一人であり、報道が正しければ、4月に次期総裁となる見込みです。雨宮氏が次期総裁に任命されたら、日銀は金融刺激案の改正を急がずにイールドカーブコントロールが廃止されたとしても、金利が上昇する可能性は低いと市場は判断したようです。米ドルは132円台を上回って他の主要通貨に対しては、4週間ぶりの高値を更新しています。今日のNZドルと豪ドルはともに、下落幅を更新しています。明日は豪中銀による政策会合が予定されており、タカ派姿勢がみられたとしたら豪ドルの上昇につながる可能性は高いでしょう。