米CPI発表前にムード改善で株価上昇&米ドル下落

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米CPI指数発表前に米株価上昇

今日は1月米CPI指数の発表に注目が集まります。

この指数の結果によっては、米経済のディスインフレが定着しているか、価格圧力との長期戦を示唆するのかを見極めることになります。

FRBパウエル議長のディスインフレ発言にあったように、予想以上に軟調なCPI指数になったなら、ディスインフレ定着への期待は高まるでしょう。

しかしながら、CPI指数が堅調であったとしたら、インフレとの長期戦への懸念を引き起こす可能性があります。

先月の企業調査において、投入コストの複雑な状況が浮き彫りとなり、米国労働統計局は12月のCPI数値を上方修正しました。

また、1月の数値には消費者物価指数の計算に新しい方法を導入するので、大方の予測から大幅に外れる可能性があります。

今回、アナリストらは総合CPIを前年比の6.5%から6.2%へ減少、コアCPIを前年比5.5%と予測している状況です。

株式市場は、この予測に相当自信があるようで、先週の下落から今週は復活の予兆が見てとれます。

米株式市場の主要3指数全て1%上昇しましたが、Eミニ先物においては若干の赤字です。

欧州株価は、今のところ続伸で取引されています。

米国債利回り低下でリスクオンムード

米国債利回りの急上昇は先日一段落したようで、10年債利回りは今日さらに低下しています。

理由は、CPIレポートへの警戒感と技術的な修正が要因となってる可能性があります。

しかしながら、ニューヨーク連銀による消費者調査によると1月の家計収入が記録の上で最も急激なペースで低下し、消費者が賃上げへの期待を抑制していることが示されました。

その一方、フェイスブックの親会社であるメタ社がさらなる人員削減を検討しているとの報道により、アップル社やマイクロソフト社などの大手ハイテク株価にも影響して、今日は上昇しています。

しかし、今日のCPI指数が予想以上の上昇となる場合の大幅な売りに備え、市場は下落に向かうリスクがあると言えるでしょう。

日銀新総裁に植田氏を打診で円高

今日は日銀の新総裁に植田氏を正式に起用するとの決定を受けて、日本10年国債利回りは日銀の上限目標である0.5%へ向かって上昇しています。

現段階では、新総裁となる植田氏は4月の就任早々に急激な利上げに着手するとは思われていません。

しかし、日銀のイールドカーブ・コントロール政策は修正すべき時期にあると言えるため、何かしらの政策見直しを行うと市場は期待しているように見受けられます。

この期待によって、今日は円高となっている状況ですが、日本の軟調な第4四半期GDP指数が日本円の圧力となる可能性があります。

堅調な英国雇用データによりポンド上昇

今日のポンドは堅調な英雇用統計を受け、1週間前のリバウンドを支えて上昇しています。

英国の雇用は、12月までの3か月間で予想以上に増加して、ボーナスを除く賃金の上昇は6.7%に加速しました。

明日の英CPI指数が堅調な結果であった場合には、イングランド銀行は利上げ停止への検討に難題を残すことになるでしょう。

ニュージーランド中銀が発表した第4四半期の調査によると、今後2年でのインフレ期待が低下したため、今日はNZドルが米ドルに対して下落しています。

1か月ぶりにゴールドが安値から回復

コモディティでは、ゴールドが1か月ぶりの安値から回復して1オンス1.860ドル付近で取引されています。

中国による米国上空のスパイ気球報道が要因となって、ゴールドはそこまで恩恵を受けていないようです。

一方で、ブリンケン米国務長官が今週予定されているミュンヘンでの安全保障会議において、中国当局者と会談するとの報道があり、両国間の緊張への緩和が期待されています。

おそらく、ゴールド価格は米利回りの動きと今日の米ドル上昇から影響を受けることになるとの憶測が広まっている状況です。