FRBの利上げ観測上昇も米ドル急騰ならず 投稿者: kaigaifx-trade2023年2月20日2023年2月20日市場ニュース FRBの利上げ観測も米ドル横ばい ここのところ好調な米経済指標の発表は、リセッション懸念を払しょくしてFRBの利上げ観測に信憑性を与えました。また、米労働市場の堅調さを示すと同時に消費者需要の回復力とインフレ抑制の不十分さを鮮明化しました。それゆえ、今後もインフレとの戦いに向けて、FRBによる積極的な政策の必要が期待されています。FRBは、商品価格の冷え込みと住宅価格の下落が最終的に家賃に反映されることを確信しているので、住居費を除いたサービスインフレを第一に重視してきました。米インフレ指数は、昨年から7.2%も上昇して粘着性を示しており、金利はさらに長期的に上昇するとのFRBの概念を裏付けている形です。市場は最終レートを5.3%に押し上げ、年内の利下げを大方除いて上方修正しました。この修正によって米国債利回りは上昇に結び付き、米1年物財務省短期証券は現在5%となっている状況です。しかしながら、堅調な米経済データと債券市場の変動にもかかわらず、米ドルは横ばいを推移しており、ユーロやポンドに対しても上昇しませんでした。その一方、株式市場の楽観ムードが米ドル低迷の悲観ムードをこえて反映される可能性があります。 米国債利回り上昇で日本円&ゴールドは影響 この市場の最終レート修正とそれに伴う利回り急上昇でもっとも被害を受けたのは、日本円と言えるでしょう。日銀によるイールドカーブ・コントロールにより、国内利回りの上限が0.5%と設定されているので、外国の利回りが上昇して金利差が拡大すればするほど、円が弱まっています。しかし、日本国内の賃金上昇とインフレ加速によって、日銀は黒田総裁の任期終了前に、再び利回りの上限を引き上げるのではとの見方が広まっています。もし仮に修正することになれば、とくに世界経済の成長への懸念が表面化した場合、円への圧力の一部を緩和することになると見受けられます。ゴールド価格も米利回りの上昇から影響を受けている状況です。ゴールドは今のところ、米財務省短期証券のリスクフリーレート5%と競合しており、保有に利息を伴わないゴールドは、需要が低下している状況です。しかし、中国人民銀行が1月にゴールドの保有率を増加したので、ゴールドが弱気トレンド市場になることはしばらくない模様です。 米株式市場は復活するか 米株式市場は先週金曜日にS&P500などの指数が、初期の損失を穴埋めするほど大きく変動しました。この動きの理由には、毎月のオプションの有効期限が売りを抑えるのに役立ったと言われています。小売業者の間での短期オプションの急騰は、全オプションの取引量のほぼ半分が現在同じ日に取引満了の契約となるので、株式市場のレジームシフトを示唆しています。オプションフローが強気となったなら、変動を抑制して市場の安定に役立ちますが、センチメントが弱気となったとしたら、市場の売りを増幅させる可能性もあり、このダイナミクスは株式市場に大きな影響を及ぼすでしょう。また、これらの流れはファンダメンタルズを活気づけるものではないので、株式市場の楽観ムードに結びつくでしょう。S&P500は今年の予想利益の18倍以上で取引されており、収益がマイナスとなって利回りが上昇しているなか、バリュエーションは未だ割高となっている状況です。これは株式市場とっては、リスクになる方式と言えます。今日はプレジデントデーで祝日なので、米国の株式市場は休場です。