堅調な米PMI指数で米ドル続伸&FRB会合議事録に注目

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米PMI数値改善でFRB利上げ観測高まって米ドル上昇

昨日の米ドルは、ポンドを除く他の主要通貨に対して上昇しましたが、今日はまちまちで取引されています。

1月の米インフレは予想以上に加速したにもかかわらず、米経済回復を示す経済データの発表が続いて市場は最終レートを大幅に上方修正しました。

昨日発表された米PMI速報値も製造業・サービス業指数ともに予想以上に改善し、この見解を裏付ける形となりました。

とくにサービス業指数については、昨年6月以来初めて50を上回って総合指数も拡大領域に押し上げられました。

インフレの粘着性が指摘されているなか、経済データが予想以上に改善しているので市場は現在、最終レートを5.35%として年末までに5.15%までの利下げが予想されています。

これは昨年12月のFRB年間中央値と一致していますが、今後の利下げに関してはまだ断言できるわけではありません。

しかしながら、FRBの中には先の会合でより金利を上げるべきだったとして、12月のドットプロットよりも高い最終レートを表明するメンバーもいます。

それゆえ、市場は今日公表される先のFRB会合議事録に特に注目することになるでしょう。

12月の会合は、これらの好調な経済データ発表前でしたが今後の利上げに賛成のメンバーが多くいたとしたら、今年の予測中央値が3月に上方修正される可能性があるでしょう。

この動向は、米ドル上昇にもつながりますが他の主要中銀も同じ方向性なので、本格的な強気トレンドへの反転にはまだ早いと言えるでしょう。

ユーロ圏と英PMI数値予想以上に上昇

昨日はユーロ圏のPMI指数も発表されて総合PMIは50.3から52.3に上昇し、予想を大幅に上回ったので、リセッション回避への期待が高まりました。

インフレ減速の兆候がないので、ECBは今後も積極的に利上げを継続することになるでしょう。

短期金融市場によると現在、市場は次のECBの会合で0.75%の利上げを織り込んでおり、最終レートを先週よりも0.3%高く設定してる状況です。

来週のインフレデータが高い水準であった場合にはECBの利上げ観測はより上昇して、ユーロドルの売り手にとっては複雑なシチュエーションとなるでしょう。

昨日は英国のPMI指数も48.5から53.0まで急上昇して、昨年7月以来の成長領域となりました。

これにより、英経済のリセッション回避への方向が示されたので、ポンドは最も上昇しました。

しかし、イングランド銀行はECBやFRBに比べると最も慎重に利上げを進めると見られているので、まだ先行きは不透明と言えるでしょう。

今年で最悪の米株式市場&リスク連動通貨も下落

この世界の主要銀行による積極的な引締めへの期待の高まりは、株式市場に大きな打撃を与えました。

昨日の米株式市場は、主要3指数全て2%以上下落しました。

利上げは企業の借入コスト上昇と企業価値の低下を意味するので、特に金利に敏感なナスダックは2.5%下落しました。

リスク連動通貨である豪ドル、NZ ドルとカナダドルもリスク選好の低下により下落しました。

カナダの1月インフレ率が予想以上に鈍化したことで、カナダ中銀が今後の会合で利上げを控えるとの憶測が広まって、カナダドルは下落しました。

ニュージーランド中銀は今日0.5%の利上げを発表しました。

また、コアインフレ率が今もなお高すぎるので、今後の利上げ継続を示したことで、NZドルは今日やや上昇しました。

しかし、今日のアジアセッションでリスク選好が低下しているので、NZドルはその利益の大部分を返還している状況です。