中国PMI指数上昇でセンチメント回復&米ドル下落 投稿者: kaigaifx-trade2023年3月1日2023年3月1日市場ニュース 中国の経済再開本格化で株価上昇 今日は2月の中国PMI指数の発表があり、世界第2位の経済大国の製造業がここ10年で最も急成長を遂げたことが示されました。そのため、株式市場は前向きなムードが広がって、センチメントを押し上げている模様です。現在の好調なPMI数値でによって、中国は昨年12月にゼロ・コロナ政策が解除されて以来、需要と供給が順調な回復を示したことになります。このデータを歓迎して、アジア市場は中国のCSI300指数が1.4%上昇、香港のハンセン指数においては4%以上と最も上昇する形となりました。中国経済による影響は長期化することが懸念されていましたが、順調な回復が示されたことで、市場にとってポジティブな方向に傾きつつあるでしょう。しかしながら、中国経済は他の面で苦しい局面であり、鬱積した需要が急速に低下する可能性が未だあるので、警戒は必要となるでしょう。 3月の株式市場は前向きムード この中国からの堅調なデータに対して、市場は世界中銀によるインフレ脅威への過剰反応とハードランディングへの懸念を含めて検討する必要があるように見受けられます。これらの懸念が長引くリスクは、欧州と米国での株価上昇を抑制している背景となっています。鉱業株で急騰を見せたロンドンのFTSE100を除いて、他の株式市場は小幅上昇しており、米Eミニ先物もわずかにプラス領域にあります。2月の株式市場は下落が続き、昨日も米株式市場の主要指数はすべてにおいて赤字で取引を終えました。要因としては、インフレを含む堅調な米経済データによって、FRB利上げ継続観測が材料視されたためでしょう。しかしながら、今週発表された米経済データはまちまちの結果を示しているので、米経済の成長が鈍化なのか加速しているのかについては今もなお不透明であると言えるでしょう。今日は、米ISM製造業PMIが発表される予定で、米経済の現状が改めて焦点となるでしょう。 ECBによる量的引き締め&仏・西のCPI上昇でユーロ上昇 債券利回りは世界的に上昇している状況であり、今日のECBバランスシート縮小によって、特にユーロ圏で利回りは上昇しています。保有額が現在5兆ユーロを超えるECBにとって、量的引き締めの開始は大きな試練と言えるでしょう。また、昨日発表されたフランスとスペインのCPI速報値が上昇したことによって、ユーロ圏の利回り上昇の背景である可能性があります。今のところ、ドイツの地域CPI数値は他国ほどではありませんが、ECBの最終レートは上昇修正されて、現在では4%近くになっています。そのため、ユーロは米ドルに対して上昇し、今週最高値である1.0657ドルを更新しました。ポンドも英国とEUとの間で北アイルランド協定が締結されたことで上昇傾向にあります。市場のリスクセンチメント回復によって、今日の米ドルは下落しており、日本円も後退している状況です。 NZドル上昇&豪ドルとカナダドルは軟調なGDPで限定的上昇 コモディティ連動通貨では、NZドルが大幅上昇しています。中国再開から需要回復への楽観的なムードが、リスクに鋭敏な豪ドルとNZドル、カナダドル上昇に結び付いていると言えるでしょう。しかし、カナダ中銀による利上げ停止と豪中銀による引き締めへの不安材料があるなか、今日はNZドルのみが堅調な上昇を続けている状況です。カナダ経済は、第4四半期で横ばい成長となり、カナダ中銀の利上げ停止を裏付けしました。一方で、オーストラリアのGDPも軟調な結果となり、市場は豪中銀のタカ派姿勢を疑問視ているように見受けられます。オーストラリアはGDPの発表がなければ、中国PMI発表後に急騰した可能性が高いですが、豪中銀の政策が予想を下回る経済データに大きな影響を受けたとは言えないでしょう。