今日FRB利上げか&今後の金利予測に注目

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今日FRBによる重要な金利政策発表

今日はここ最近で最も重要となるFRBの政策発表が予定されています。

現段階では銀行を巡る混乱は後退しており、市場は85%の確率で0.25%の利上げを残りの15%は利上げ停止を見込んでいる状況です。

FRBが利上げを実施するとしたら、市場は今回が最後の利上げになる可能性が高いと考えて秋頃の利下げを期待することになると見受けられます。

今後のFRBによる金利予測にも注目が集まります。

12月の金利予測では最終レートは年末までに5%以上との予想でしたが、現在の市場価格は年末までに4.3%ほどに留まると予測されています。

この予測には大きな差が生じていますが、今日の発表でその差は縮むと思われます。

堅調な米経済データはFRBによる利上げを正当化し、とくに銀行セクターの流動性が強化されているなか、FRBは5%近くまでの金利予測を維持する根拠になり得るでしょう。

先週のECBのように、FRBはインフレ抑制のために利上げを実施し、銀行システムに新たな問題が生じた場合に対応策の準備ができていることを主張する可能性があります。

今日の政策決定に対しては、何年かぶりに当局側で意見が分かれるとの憶測が広がっています。

銀行を巡る混乱後、銀行による貸し出しを抑制することが期待されているなか、FRBの中には、この動きがインフレとの戦いにおいても役立つと考え、金利の一時停止を主張するメンバーもいるでしょう。

その一方、堅調な米経済を強調して、利上げを推進すべきと主張するメンバーもいると推測できます。

FRB政策発表への市場の反応に注目

市場は早くも、FRBによる早期の利下げを期待している模様です。

そのため、もしFRBがこの予想に反して、年末までのレートを5%近くまで維持するとしたら、市場に動揺が広がることになる可能性があります。

FRBが金利予測を維持するとしたら、利回りを押し上げて米ドルの上昇となる可能性があります。

逆に、日本円にとっては打撃となり、円安となる可能性が高いので、ドル円は特に鋭い反応を示す可能性が高いでしょう。

利上げ観測への期待は、利回り下落のなか、恩恵を受けて急騰したテクノ株や仮想通貨といったリスク資産には良い材料とはならないでしょう。

ゴールドも利回りと米ドルの上昇により、同じようにダメージを受けるかもしれません。

株価上昇&英中銀利上げ観測でポンド上昇

株式市場はS&P500が昨日1.3%上昇し、タカ派的なFRBのリスクに対して懸念していない模様です。

債券市場は利回りが上昇して違った展開のようですが、これはFRB政策発表前のヘッジ活動が見通しを不鮮明にさせているのかもしれません。

今日の株式市場の変動の一因は、VIXオプションの期限切れの可能性があります。

オプションが満期となる市場は、変動を呼び起こして株式市場もFRBによる発言に鋭敏になるでしょう。

一方、イギリスのインフレ率が予想以上に上昇したことを受けて、今日のポンドは早い取引で市場を牽引している状況です。

イギリスのインフレは2桁にとどまっているので、明日のイングランド銀行よる政策発表で市場は0.25%の利上げを予測しており、今後の政策についても何らかの見解が示唆されることが期待されています。