FRB利上げ停止示唆で米ドル下落&英中銀は今日政策発表

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FRB利上げ停止示唆で米ドル下落

昨日のFRBは0.25%の利上げを実施しましたが銀行セクターを巡る混乱から、将来の利上げ停止を示唆したため、米ドルは昨日から続落している状況です。

また、今後の利上げについては、目標レンジの継続的な引き上げが適切と述べる代わりに、いくらかの追加政策の確定が適切との旨を述べました。

この声明により、早くも次回会合にて利上げ停止の可能性が示唆されたので、市場は早くも次回5月の利上げ停止観測を織り込みました。

しかしながら、新たに示されたドットプロットは、今なお年末までの5.1%の金利を予測しています。

現在、FF金利先物によると利上げ停止と0.25%の利上げで意見が分かれている状況です。

重要なことは、今後8か月以内に一連の利下げを予測していることで、金利は年末に4.15%辺りまで低下すると予測していることです。

そのため、今後の利上げへのヒントやコメントを除けば、現在の焦点は利下げの可能性への議論となるように見受けられます。

政策発表後の記者会見で、FRBパウエル議長は銀行を巡る混乱の前は、最終レートを引き上げる必要があると考えていたと発言しました。

しかし、FRBの目標はインフレを2%に引き下げることで、このために利上げが必要であれば利上げの実施もあり得ると述べました。

それゆえ、FRBが今後の利下げに反論して、さらなる利上げ実施を強調するとしたら、米ドル復活の可能性もあるでしょう。

しかしながら、FRBが政策反転を示唆し始めたとしたら、米ドルは更なる下落に向かうことが予想されます。

イエレン米財務長官が銀行預金の全面的保証否定

一方、米株式市場では主要3指数全てにおいて、当初はFRBの利上げ停止示唆を材料視して上昇していましたが、会見でパウエル議長が必要であれば利上げもやむを得ずと発言したことが要因となって、それまでの利益を返上して赤字で取引を終えることとなりました。

さらに、昨日はイエレン米財務長官が、米連邦預金保険公社が議会の承認なしに全ての銀行預金の保証である包括保険は検討していないと発言したこともあって、市場によるリスク回避を促進させました。

ドル安と米国債利回りの新たな下落によって、ゴールドは1,935ドル付近から反発しました。

ゴールドは2,000ドル圏内まで上昇すると見られ、昨年3月8日に更新したピークである2,070ドルもしくは8月7日に記録された過去最高値の2,075ドルに向けて上昇する可能性があります。

スイス中銀0.5%利上げ&英中銀は今日政策発表

今日はスイス国立銀行とイングランド銀行の政策発表を控えています。

スイス国立銀行は、先ほど0.5%の利上げを決定して、今後の利上げの可能性は否定できないと述べました。またインフレ予測も引き上げたので、市場は5月での0.5%の利上げを15%の確率として、残りの85%は0.25%の利上げを織り込んでいます。

これによって、スイスフランは米ドルに対して上昇し、スイス中銀とFRBの金利予測に差がある限りは、スイスフランが上昇する可能性が高いでしょう。

イングランド銀行も今日は政策発表が予定されており、英国のインフレが予想以上に上昇したことを受けて、0.25%の利上げがほぼ確実視されている状況です。

また、市場は今後2回にわたる利上げも予測している模様です。

そのため、現在市場は0.25%の利上げをほぼ確実視しているので、今日の政策発表にポンドが反応する可能性は低いと言えるでしょう。

そのため、今日のイングランド銀行による将来の行動方針についての発言により一層注目が集まるでしょう。