明日の米PCE発表を控えて米ドル様子見 投稿者: kaigaifx-trade2023年3月30日2023年3月30日市場ニュース 米ドル明日発表の米PCEデフレーターを控え様子見 昨日の米ドルは他の主要通貨に対して、まちまちで取引されて今日も明確な方向性に欠けている状況が続いています。銀行危機への懸念後退によって、昨日米ドルはその損失の一部を取り戻しました。しかしながら、市場は未だこの銀行危機によって、FRBが早急に利上げを停止して年末までに利下げを行うと予測している模様です。現在、市場は銀行危機で想定された最終レートよりは高い水準を予測していますが、今もなお12月までの約0.5%の利下げを織り込んでいます。しかし、5月の次期会合にて再び0.25%の利上げを行うのか、利上げを停止するのかについて意見が二つに分かれているところです。明日は2月の米PCE個人消費支出デフレーターが発表される予定で、FRBの今後の方針について、幾ばくかの手がかりになると推測されます。とくにコアPCE指数は堅調に前年比4.7%上昇と予測されており、FRBがこの指数をインフレ指数として材料視するので、重要な判断基準と見なされるでしょう。しかし、2月のコアCPI消費者物価指数が減速するなか、PCEを取りまくリスクは下振れに傾く可能性があります。さらに、FRBメンバーの発言も今後の政策を予測する点で注目されています。金融政策は、引き続きインフレ抑制を目標とすべきと発言したセントルイス連銀ブラード総裁に続いて、リッチモンド連銀バーキン総裁とミネアポリス連銀カシュカリ総裁も今日発言を控えています。これらのメンバーがパウエル議長に同調し、利下げ観測を押し返すのか、そして市場がこの意見を疑問視するのかが焦点となるでしょう。 ユーロ圏のインフレも焦点 一方、ユーロ圏では今日、ドイツの3月のCPI速報値の発表と明日のユーロ圏CPI指数の発表が続きます。ドイツのCPI指数は著しく減速が見込まれているので、ユーロ圏も同じような減速となると予測されています。しかしながら、ユーロ圏の基礎となる指標が加速し続けるとも予測されているので、市場はECBのさらなる利上げの必要性を確信することになる可能性があり、ユーロの買いへの圧力となるでしょう。銀行危機の緩和から円が売られる中、明日の3月の東京におけるCPI指数が減速を示したとしたら、ユーロ円は若干上昇する可能性があります。日本のインフレ減速は、日銀の緩和政策撤廃に時間的余裕を与える可能性があります。しかし、国内の企業と組合が過去30年で最も急激な賃上げに同意していることから、政策修正に時間をかけることは賢明とは言えない模様です。そのため、銀行セクターへの信頼も完全に回復していない現状では、円に対しての強気傾向への反転はまだ早い段階にあると言えるでしょう。 明るい見通しによって米株式市場は上昇 昨日の米株式市場は一部の企業による明るい見通しが示されたことで、3指数全て少なくとも1%相当の上昇で取引を終えました。マイクロンの株価は、第3四半期の減収を予測しましたが、人工知能が売り上げに貢献していることで、2025年の見通しは楽観的であると見られて、7.2%も上昇しました。ルルレモン・アスレティカも年間売上高と利益が株式市場の見積もりを上回ったので、株価は12.7%も上昇しました。銀行への懸念が後回しとなって、利下げも視野に入る現在の状況は投資家がポートフォリオに株式を追加することを促進させる可能性があるでしょう。昨日のゴールドは安全資産の流出から若干下落して取引されました。しかしながら、FRB利下げ観測への真実味が増すにつれて、米国債利回りと米ドルは圧迫されるので、株価上昇となってもゴールドはサポートされる可能性があるでしょう。