リセッションへの懸念再浮上も米ドルは上昇 投稿者: kaigaifx-trade2023年4月26日2023年4月26日市場ニュース 安全資産として米ドル上昇 昨日の米ドルが円を除いた他の主要通貨に対して上昇したのは安全資産流入の結果であったと思われますが、今日の米ドルは下落基調です。実際、好調な米経済を示唆するデータやヘッドラインに関係なく、米ドルは上昇しました。それどころか、むしろファースト・リパブリック銀行が1,000億ドル以上の預金流出を発表した後に、株価が記録的な安値まで下落しました。これらの期待外れの決算報告によって、リセッションへの懸念が再浮上した模様です。さらに、スペインのサンタンデール銀行が住宅ローン市場の減速を警告したことで、市場は銀行危機の影響がまだ深刻であり、株式だけでなく国債利回りにも圧力がかかっていることを再確認する機会となったように見受けられます。米ドルと米国債利回りの差はドルが好調な経済データやFRB利上げ観測ではなく、リスクオフ環境の恩恵を受けていることを証明していると言えます。来週のFRB会合では0.25%の利上げがほぼ確実視されていますが、現在市場は12月までに合計で0.5%以上の利下げを再び織り込み、来年もさらに利下げが行われることが予測されています。 タカ派に徹したECBの影響でユーロ後押し その一方で、ECBは今年、あと3回にわたって0.25%の利上げを行い、利下げはないと大方予測されています。30%は来週のECB会合における0.5%の利上げをサポートしている状況です。また、ECBは他の中央銀行と違って、利上げを継続すると見られていることから、ユーロを押し上げて上昇トレンドを維持している状況です。今年の利下げが見込まれていない中央銀行は、他にイングランド銀行とスイス国立銀行になります。米ドルが安全資産の流れを引き付けているとしたら、ユーロドルのさらなる下落は無いとは言えませんが、現時点では本格的な転換期が訪れる可能性は低いと言えるでしょう。FRBとECBの政策のギャップは、強気筋を引き付けたものの、すぐに反発して1.1070付近まで巻き返す可能性もあります。もし、このゾーンを突破することになれば、上昇トレンドは5月31日に更新した高値である1.1175近辺まで拡大する可能性もあります。 リスク回避により株価下落 昨日米株式市場は、3指数全て1%以上下落する結果となりました。とくにハイテク株の多いナスダックは、2.32%急落して3月9日以来最大の下落幅を更新しました。リセッション懸念の高まりから、一部の投資家は株式などのリスク資産を放棄した可能性があります。しかしながら、全体として株式市場の状況は弱気トレンドとは程遠いでしょう。流動性とFRB利下げ観測が指数をサポートしており、昨日株価は下落したにもかかわらず、S&P500は主要なレジスタンスゾーンである4150付近に留まっている状況です。先物市場は、マイクロソフトとアルファベットの好調な決算報告によって、今日高値での開場を示しています。バリュエーションは、多くの株式が今もなお過大評価されていることを示していますが、米株式市場の大手企業は、今後四半期および数年の予想されるキャッシュフローを割引くことで評価される高成長テクノロジー企業です。これによって、一部の収益と将来の見積もりは堅調な結果が見込まれ、FRBによる利下げ観測で現在価値が上昇し続けるかもしれません。この動向が投資家にとって魅力的に映ることで、株価指数が下落したとしても高成長企業による十分な実績によって、損失は限定的となる可能性もあります。