豪中銀の利上げで豪ドル上昇&円がユーロに対して15年ぶり安値 投稿者: kaigaifx-trade2023年5月3日2023年5月3日市場ニュース 日本円がユーロに対して15年ぶり安値 今週の日本円はユーロに対して15年ぶりの安値を更新するなど大きなダメージを受けています。ユーロ円はパンデミック後のトレンドを拡大する勢いで、心理的領域となる150円を突破して勢いを増しています。この円安の要因は、中央銀行の政策の乖離による典型的なケースが考えられます。日銀が金融引き締めを拒むなか、他の主要中銀は急速に利上げを進めており、対円金利差は拡大し続けています。海外でより高いリターンを求める中、日本からの資本流出により日本円は逃避先として機能しています。ECBによる一連の大幅利上げから、欧州株式市場が記録的な高値で推移しているので、ユーロ圏は魅力的な投資先となっており、ユーロに対して円の下落は特に大きな痛手となっています。日銀による為替介入でもない限り、この円安トレンドを拒むような当面の展望はないと言えるでしょう。日銀の次回会合は6月中旬のため、銀行危機も一段落してリスクセンチメントも落ち着くことが予期されます。そんため、安全通貨としての円の需要は低下し続けると言えます。 豪中銀は予想外の0.25%の利上げ決定 オーストラリアでは、オーストラリア準備銀行が政策決定にて、予想外の利上げを発表がありました。市場価格は、豪中銀による利上げの可能性はわずか15%未満でした。豪中銀は、現在のインフレ率は未だ高すぎるとして、引き締め傾向を慎重に再開し、将来の利上げへの可能性も示唆しました。現在、市場は約50%が夏までにもう一度利上げがあるとの予測が強まっています。為替市場では、この予想外の豪中銀による利上げで、豪ドル上昇となりましたが、鉄鉱石価格の急落や週末に発表された中国の景況調査の悪化などの輸出に大きく頼るオーストラリアの経済にとって暗い状況を踏まえると、この豪ドル上昇が続く余地があるかは疑問です。 ユーロ圏のインフレ&米債務上限が焦点に ユーロ圏では、インフレデータの発表が注目となり、今週木曜日のECB政策決定に先立って重要な指標と言えます。今週、市場はFRBによる最後の利上げを織り込んでいますが、ECBの決定には取り巻く不確実性が影を落としています。市場はECBにより利上げを大方確信していますが、その幅については意見が分かれており、ほとんどは0.25%の利上げになるとの見方が強まっています。そのため、今後のインフレデータが重要視されることになるでしょう。その一方、月曜日に米国の規制当局はファースト・リパブリック銀行のすべての資産をJPモルガンが吸収する計画を画策したことで、銀行セクターでのさらなる影響への懸念を緩和する結果となりました。この発表と好調な米ISM製造業調査は、市場のムード高揚となり、米国債利回りと米ドルは押し上げられる結果となりました。昨日の株式市場は、ほぼ横ばいで推移して、イエレン財務長官が米国政府に対し、債務上限について合意がなかったとしたら、6月初旬までに財政資金が枯渇する可能性を警告したことについては、ほとんど影響がありませんでした。このリスクを懸念する唯一の市場は短期国債利回りですが、この財政資金が枯渇する日に近づくにつれて変化する可能性があります。決算報告については、ファイザー、AMD、スターバックス、そしてウーバーの四半期決算報告があります。