ドル買いと円買いが入り混じっているため、ドル円の方向感がはっきりしづらい状況

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最近の通貨市場状況は、ドルと円の需要が不安定で予測不能であるため、USDJPYにとって課題を提供しています。

市場参加者によって広く予想されていた動きとして、イングランド銀行(BOE)は政策金利を25ベーシスポイント引き上げ、4.50%に引き上げました。会議の議事録によると、利上げ決定は7対2で多数決で可決されました。BOEは、インフレ圧力が持続する兆候がある場合は政策の引き締めを続ける必要があると強調しました。アナウンス後の記者会見で、ベイリー総裁は、健全な経済にとって低く安定したインフレを支援する政策スタンスを維持することの重要性を強調しました。

ポンドは当初、BOEの決定に応じて上昇しましたが、市場で既に利上げが織り込まれていたため効果は短期的でした。ただ、ベイリー総裁はインタビューで、利上げ水準が利上げの休止が可能なポイントに近づいていると示唆しました。

4月には、米国の生産者物価指数(PPI)が前年比で2.3%上昇し、食品やエネルギーを除いたコアPPIは3.2%に鈍化しました。これらの数字は市場予想を下回り、新しい米国の失業保険申請件数は市場予想の245,000を上回って264,000件に達し、2021年10月以来の最高値となりました。これらの動向は、6月の利上げが保留されるという見方を強め、ドルの価値の下落につながりました。

先週、ニューヨーク・ダウ平均株価指数は急落し、一時400ポイント以上下落しました。この状況下では外国為替市場において、リスク回避策としてドルが円よりも好まれました。ドル/円は一部回復しましたが、上限は引き続きクロス円の動きに影響を与えています。また、アメリカの地方銀行であるパシフィック・ウェスト・バンコープの株価が、5月5日週における預金の9.5%(15億ドル)の減少により、約23%下落しました。

ドル/円は先週一週間の安値をつけた後、わずかに回復しました。133.74円程度まで下落したものの、米国長期金利の減少が鈍化するにつれ、中盤で134円台に回復しました。ドルの強さもUSD/JPYを支援しました。一方、ポンドやユーロは、買われすぎたために下落しました。また、一部の米国の地方銀行からの資金流出が明らかになり、債務上限問題に関する大統領と下院議長の会合が次週に予定されています。