ドル円の相場は、一時的に下降トレンドから抜け出し&市場での注目通貨はトルコリラ

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東京外国為替市場では、午後のセッションでドル円の相場が下落期間の後に安定しました。前日の米国の債務上限問題に関する懸念が緩和され、ドルが強まり、それに伴い円が弱まったことで、為替レートは137.70の水準まで上昇しました。しかし、東京の早い時間帯には、前日のドルの強さと円の弱さに対応してドル円相場が弱まり、一時的に137.29程度まで下落しました。その後、日経平均株価の大幅な上昇に伴い、リスク選好の増加による円売り優勢となり、為替レートは137.74程度まで上昇し、当日の高値をつけました。

一方、ユーロ円相場は149円台を中心に変動しました。朝には、ポジション調整による売りが一時的に149円を下回りましたが、その後は日中は下値圏で推移しました。ユーロドル相場に関しては、午後になるにつれて緩やかに下落し、一時的に約1.0827付近に下落しました。

オーストラリアドルに関しては、下降の動きが一時的に止まりました。朝のオーストラリアの4月の雇用統計の弱さの発表に続いて、オーストラリア準備銀行(RBA)による追加の利上げの見通しが減少しました。その結果、オーストラリアドルは米ドルに対して約0.6632まで下落し、円に対しては約91.10まで下落した後、安定の兆候を見せました。

トルコに移ると、最近の大統領選挙では現職候補のエルドアン氏が対立候補のイマモオル氏(44.88%)に対して高い得票率(49.52%)を獲得しました。しかし、エルドアン氏は過半数を獲得するという絶対的な勝利条件を満たしておらず、両候補の決選投票が28日に予定され、最終結果は29日に発表される予定です。

選挙前の世論調査では僅差となっていたにもかかわらず、エルドアン氏の復活を考慮して、多くの人々は彼が決選投票で有利に立つと予想しています。さらに、エルドアン氏率いる与党連合が同時に行われた議会選挙で多数派を確保したことは、彼の立場を一層強化すると考えられています。この考えは、政治的な行き詰まりを批判する有権者が野党の統一候補であるイマモオル氏に投票しない可能性が高いという考えから生まれています。

イマモオル氏が選挙の運命を逆転させて勝利するためには、初回投票で3位に入ったアクセネル氏の支持を確保する必要があります。5.17%の得票率を持つアクセネル氏としては、数学的な可能性をもって逆転することができます。しかし、超国家主義者で右派の候補であるアクセネル氏は、少数派を代表するクルド政党とのイマモオル氏の協力に懸念を表明しています。アクセネル氏の世俗主義のイデオロギーはエルドアン氏と完全に相いれないものでありながら、彼がイマモオル氏を支持するかどうかは不確定なままです。