米国の債務上限問題の再燃により、米ドルは急速に下落し、対応して日本円は高騰し、通貨市場に大きな変動が生じています。
初期段階では、ドル円相場は米ドルの優位性を示し、東京市場の午前中には1ドルあたり138.65円まで急騰し、注目の水準である138.70円に接近しました。米国の債務上限問題の解決に対する楽観的な見方が市場全体に広まり、リスクオンのムードが高まりました。さらに、長期米国債利回りの上昇が米ドルの強さを後押ししました。
しかし、米国の債務上限に関する懸念が再び勃発しました。共和党の代表者が米政府と議会共和党との非公式な協議から突然離脱し、協議が一時的に中断されたため、この問題に対する不安が再び高まりました。共和党のマッカーシー下院議長は、政府の無策を要因として挙げ、協議再開についてコメントを避けました。
この交渉の決裂とデフォルト回避の余地の制約により、市場の懸念が高まり、米ドルの売りが急増し、日本円の需要が急騰しました。ドル円相場は138.60円程度から137.43円まで急落しました。10年債利回りの3.72%から3.63%台への下落など、市場でのリスク回避の傾向が顕著となり、米ドルの売りが広がり、日本円の需要が高まりました。
下落傾向の一時的な休憩の後、買い戻しの波が現れ、ドル円相場は回復し、138円水準を回復しました。ただし、債務上限問題の悪化に伴い、ドル円ロングポジションの維持に対する懸念もあり、上値が抑えられました。
そして同様のリスク回避のトレンドが、ユーロ円などの他の通貨ペアにも広がりました。特に、ドル円の上昇を支えとして、ユーロ円の相場は朝のセッションで約149.80円まで上昇しました。しかし、その後、米国の債務上限問題による急落の直接的な影響により、ピークから1円以上下落し、約148.70円までわずかな下落が見られました。
また、ユーロ米ドルのペアでは、ロンドン市場のセッションで買い圧力が優勢となり、相場は約1.0820まで上昇しました。しかし、米ドルは円や他の通貨に対して売り圧力にさらされ、相場は約1.0780まで後退しました。その後、1.0820まで反発し、当日の高値をつけました。ただし、一時的な修正動向も観察され、相場は一時的に1.08を下回る水準になりました。