オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策会合が迫っていますが、金利の据え置き姿勢が主流であるにもかかわらず、利上げの可能性に関する期待が高まっています。2022年5月から利上げを開始したRBAは、今年3月まで10回連続で利上げを実施しましたが、4月の会合では金利を同じ水準に据え置くことを選択しました。前回の5月2日の会合では、一般的な予想とは異なり、0.25%の利上げが実施され、現在の公式キャッシュレートは3.85%となりました。
5月の会合で、RBAのロウ総裁は「目標のインフレ率に合理的な期間で戻るためには、追加の金融引き締めが必要になる可能性がある。ただし、これは経済およびインフレの動向に依存する」と述べました。
この発表を受けて、6月の会合では金利を据え置く方向でのコンセンサスが形成されました。多くの人々は、5月の利上げの影響を評価するために、RBAが6月に金利を据え置き、7月か8月にさらなる利上げを検討すると予想しています。RBAの金融政策委員会は年間11回(1月を除くほぼ毎月)開催されるため、日本や米国、英国、ユーロ圏、カナダなどのほとんどの国と比べて頻繁に金利調整が行われており、その影響を正確に評価することは難しい側面があります。
追加の利上げへの期待が高まる要因の一つは、最近の動向です。5月31日に発表された4月の消費者物価指数は、市場の予想および前月の水準を上回り、年間成長率が+6.8%という堅調な伸びを示しました。
さらに、オーストラリア政府の労働裁定機関は6月2日に発表し、7月1日から最低賃金を5.75%引き上げ、時給23.23豪ドルとすることを決定しました。
これらの状況から、短期金利市場における6月の利上げの可能性は40%まで上昇しました。ほぼゼロという期待からの大幅な変化が、外国為替市場にも影響を与え、オーストラリアドルへの需要が増加しています。連邦公開市場委員会(FOMC)が最近の13日と14日に行われた会合で利率の現状維持を示したことにより、オーストラリアドルの買いと米ドルの売りには好都合な環境が整っています。これは、金利格差が縮小する傾向と一致しています。ただし、利上げの期待は依然として少数派の意見であり、実際の利上げが実施されれば、オーストラリアドルへの需要がさらに高まる可能性があります。