日本銀行(日銀)の金融政策会合は、市場予想通り政策金利を据え置くという結果となりました。イールドカーブコントロール(YCC)の枠組みや資産買い入れ方針にも変更はありませんでした。声明も市場の予想と大きくは異ならず、一致する内容となりました。
ただし、発表後には円売りが顕著に増加しました。ドル円ペアは、前日の海外市場で141円台から140円台前半に下落しており、この下降トレンドは東京市場でも続き、午前のセッションで一時139.85円まで触れました。140円水準に回復した後、日銀の決定発表を受けて急騰し、140.77円まで上昇しました。一時的な調整が140.20円付近で見られましたが、再び円売り圧力が強まり、他の円クロス通貨の上昇とともにペアは140.80円まで押し上げられました。
他の円クロス通貨でも似たような取引パターンが観察されました。ユーロ円ペアは朝の中盤で153円台から始まり、円買い圧力により153.10円まで下落しましたが、会合結果の発表後に約153.30円まで急騰しました。一部の修正を経て、154円台に上昇しました。一方、ポンド円ペアは179円台前半から会合発表前に178.83円まで下落し、その後179.70円まで上昇しました。ロンドン市場の参加により上昇勢力が加速し、180円という重要な水準を超えました。
海外投資家の間では、日本銀行がYCCの枠組みを調整する可能性に対する期待が明らかになっていましたが、今回は円債利回りに大幅な上昇は見られませんでした。海外投資家は既に現状維持が予想されていることを織り込んでいたと考えられます。しかし、YCCの調整への期待が持続し、結果が変わらなかったことによる円売り圧力が見られました。最新の10年債の利回りは、発表前には0.425%前後で推移していたものの、以前はショート売りにより0.5%を超えていました。しかし、発表後に急激に0.401%まで低下し、市場には売り圧力の印象を与えました。