現在の市場状況では、ドル円は引き続き上向きの勢いを見せており、143円の水準を回復

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現在の市場状況では、USD/JPYペアは引き続き上向きの勢いを見せており、143円の水準を回復しています。

強い米ドルのトレンドが維持されており、これによってUSD/JPYペアにしっかりとしたサポートが提供されています。さらに、日本銀行の最近の介入や、イールドカーブコントロール(YCC)の柔軟なアプローチ導入後も円の金利が抑制的に推移していることが、ドル円を支える要因となっています。

本日の米国の経済指標は予想を下回る結果となりましたが、米ドルは強い抵抗力を示しています。市場の感情は、米国経済のソフトランディングを期待し、景気後退を回避し、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルを結論付けることによって高揚しています。外国為替市場の焦点は、世界経済の動向へとシフトする中でも、強い米ドルへの優勢な見方が堅持されています。

現在の注目は、USD/JPYペアが7月初めに観察された上昇トレンドへの回帰可能性にあります。21日移動平均を上回る動きを維持しており、近期のターゲットとして145円の水準が重要視されています。

一方、EUR/USDペアは引き続き下降トレンドを維持し、一時的に1.09ドル台半ばまで下落しました。本日の下落により、21日移動平均を再び下抜けしたことから、投資家は目先の下値目標として1.0910ドル付近の100日移動平均を見据えているようです。

ユーロ圏の経済指標に関しては、本日の発表で失業率が6.4%となり、前月と同水準で過去最低を維持しました。この数値は市場の予想を下回りました。アナリストたちは、ユーロ圏の雇用が高水準を維持する場合、欧州中央銀行(ECB)が追加の利上げを検討する可能性があると指摘しています。この最近の失業率はECBのホーク派姿勢を強化する要因と見られています。

ECBは、高止まりしているコアインフレと急増している賃金上昇という課題に直面しています。この状況が改善されない限り、9月の政策会合での追加の利上げの可能性は完全に排除できないとされています。

一方、GBP/USDペアは下降傾向を継続し、1.27ドル台半ばまで下落しています。予想されていた1.28ドルの強力なサポート水準を下回ることで、先週観測された反転の兆しは完全に消えました。現在の焦点は、ペアが下方の1.26ドル台前半のフィボナッチ38.2%戻し水準をテストするかどうかです。

英国銀行(BoE)の今週の金融政策委員会(MPC)会合に対する期待は高まっており、利上げの結果が広く予想されています。ただし、大幅な利上げの可能性は低くなっており、0.25%の穏健な利上げが予想されています。

このような期待を背景に、一部のアナリストは、MPCの決定に対するポンドの買い反応は、英国経済が景気後退を回避し、英国銀行が連邦準備制度理事会とECBよりもホーク派の姿勢を示すことを市場が期待していることに起因する可能性を示唆しています。先週、後者の2つの中央銀行は利上げのピークに近づいていると示唆していましたが、ポンドの強気派にとって最も好ましい結果は、英国銀行がポジティブな成長見通しを示しつつ、ホーク派の姿勢を示すことだとされています。