ドル円は利益確定の傾向が顕著で、147.70円前後から下げて下限の147円台に

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本日のUSD/JPY市場では、利益確定の傾向が顕著で、147.70円前後から下げて、下限の147円台に戻りました。全体的には米ドルに対する好意的なセンチメントが続いていますが、トレーダーが利益を確定させることで、その上昇トレンドが鈍化しているのが見受けられます。

現在、市場参加者は連邦準備制度(FRB)の金融政策の進路と、今年後半の追加の金利引き上げの可能性についてますます懸念を抱いています。米国からの最近の堅調な経済指標が背景にあり、FRBがこれらの強力なデータポイントを追加の金利引き上げを正当化する根拠として利用する可能性が高まっています。本日の米国初期失業保険申請件数の発表も、労働市場の健全性を裏付けています。

アナリストは、現在の米国経済の強さを考慮すると、FRBが今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)会議でより鷹派の立場を取る可能性があると指摘しています。短期金融市場は現在、9月に政策変更がない確率が高いと評価していますが、11月に追加の金利引き上げが実施される可能性は40%以上に急上昇しています。

一方で、EUR/USDペアは軽微な売り圧力に直面し、1.26ドル台に下落し、200日移動平均を下回りました。市場の注目は、来週予定されている欧州中央銀行(ECB)の会議に集中しています。金利引き上げの可能性はまだ残されていますが、短期金融市場では0.25%の金利引き上げの確率が約35%と見積もられています。

一部の専門家は、ECBが金利を長期間高水準で維持する選択肢を検討するかもしれないと推測しており、金融緩和サイクルが終了していない可能性を強調しています。今回の会議では、金利を据え置きつつ、量的引き締め(QT)を加速させる兆候が示されるかもしれません。

この背景を受けて、GBP/USDペアは一時的に1.24ドル台半ばまで下落しました。米ドルの持続的な強さが背景にある中で、英国中銀(BoE)の今後の政策行動について懸念が広がっています。特に、ベイリー総裁が最近、金利サイクルが頂点に近づいていると述べた発言の後、市場参加者の中には利上げの一時停止の兆候と受け取る人もいます。

この文脈で、BoEが11月に一時的に利上げを停止する可能性が高まっているとの憶測が広がっています。中央銀行は最近、9月21日に0.25%の金利引き上げを実施し、現在の金利引き上げサイクルの終了が期待されています。