銀行危機も株価は今期増益&米ドル減損 投稿者: kaigaifx-trade2023年3月31日2023年3月31日市場ニュース 銀行危機も株価は第4四半期増益 今月初めに突然起こった銀行危機によってい株式市場は、ダメージを受けましたが、現在は急速に回復して堅調な利益で第4四半期を終える様相を呈しています。理由は、主にテクノ株、とくに米株式市場のテクノ大手の株価上昇によるものです。シリコンバレー銀行の破綻から引き起った売り以来、ナスダック総合指数とナスダック100の間には著しい格差が生まれている状況です。アップルやマイクロソフトなどのパンデミックの恩恵を受けた大手は、再びそのディフェンシブな魅力を発揮している模様です。それらとは対照的に、小規模なハイテク社の株で米国の銀行が地方銀行の破綻と救済策に対応して融資基準を厳しくする可能性が高いので、流動性の逼迫を懸念して苦戦している模様です。昨日のナスダック100は昨年8月以来の最高値を更新して今年18%以上も上昇し、ナスダック総合指数は15%弱上昇していますが、銀行危機前の2月の水準までは回復していません。一方で、S&P500の上昇は約5.5%と控えめな上昇です。昨日のバイデン大統領は銀行破綻の再発防止のため、複数の規制当局に対して議会承認の必要なしで規制を強化する措置を提案しました。これを受け、銀行株は再び圧力を受ける形となりました。 FRBメンバー利上げ支持の発言で高まる利上げ観測 しかしながら、今後数か月間に融資条件が逼迫したとしたら、金融セクターだけでなく、経済全体においても脆弱さが残りますが、FRBのハト派転換への期待に市場のセンチメントは支えられているようです。ただ、パニックが緩和する中で世界の中銀が過去にあったような利上げを推し進めず、利下げも開始するとの期待は、押し戻されているように見受けられます。FRBメンバーがインフレを目標までに戻すために、さらなる引き締めが必要であると示唆する発言が続いているなか、リッチモンド連銀総裁は利上げに関しては決断しかねると発言しましたものの、ミネアポリス連銀総裁とボストン連銀総裁はさらなる利上げに賛成の意向を述べました。そのため、現在FRBが次回の会合で改めて利上げを実施する可能性は上昇しています。しかし、銀行セクターのストレスがFRBの今後の金利政策に影響すると市場は予想しており、年末までに少なくても0.25%の利下げを織り込んでいます。 米PCE指数の発表前に米ドル上昇 米ドルは、ユーロやポンド、またオーストラリア・ドル対して、第4四半期は約2%の損失で取引を終えそうです。しかし、今日は他の主要通貨に対して上昇しています。今日の円は1ドル133円辺りで取引され、続落して損失に向かっています。3月の東京のCPI消費者物価指数は予想を上回りましたが、円を押し上げるまでには至りませんでした。ユーロ圏では3月のCPI速報値で総合インフレ率は軟調ですが、基調となるCPI数値は若干上昇したので、ECBの今後の政策予想には特に影響はありませんでした。しかし、ユーロは1.09ドルを下回り下落しています。さらに、英国経済が第4四半期のGDP上方修正により0.1%の成長を示したことから、ポンドの損失は限定的となりました。つづいて注目となるのは、今日発表される米PCEインフレ指数と個人所得および個人支出となります。2月のコアPCE価格指数は、前年同月比で4.7%と横ばいが予測されています。これが予測以上に上昇を示したとしたら、FRBの次回5月の会合での利上げ観測がさらに高まる可能性が高いと言えるでしょう。その一方、ドル高がゴールドのやや重しとなっていますが、ゴールドは銀行危機以降上昇し続けていることを鑑みると、ブレークアウトが差し迫っている可能性が高いと言えます。